続きまして、名古屋2日目。GAUZEツアー4本目です。
昨日はなんだったんだと思うくらい、この日はとんだカラオケ会だった。
- 京が限界。うまいとか下手とか表現力どうこうじゃなく、そもそも全然声が出ない
- 曲中に叫ぶ客続出
- 声が出ないのと、客にイラついたのかなんだか知らないけど、ひたすらにカラオケ、ていうかカラオケ以下
- 2daysの2日目のチケ取ったことを本気で後悔した。チケ代の価値全然ない
セットリストはこちら。
GAUZE -mode of adam-
Schweinの椅子
raison detre
Cage
THE FINAL
SUSTAIN THE UNTRUTH
輪郭
304号室、白死の桜
mazohyst of decadence
蜜と唾(新)
アクロの丘
ゆらめき
MASK
蜜と唾(旧)
残
予感
新曲(大地蹴るやつ)
蒼い月
羅刹国
激しさと
新木場2日目に近いセトリでしたね。
今日のボーカルは新木場2日目以上にひどかった…まじで、ひたすらに、ひどかった。なんじゃこれはという驚きと怒りを通り越して、途中からは、これは喉が厳しいなーツアー最後までもつのかな、と心配になってしまった。もう、2daysだと2日目まで喉がもたないのかね。
昨日今日で実感したけど、ほんと日によって出来に落差がありすぎる。この点、15年前と全く変わってない。
これは全通するファンの気持ちわかるわ。だって、ツアー中たまたま一本だけチケ取ったライヴがこの日のような出来だったら、不完全燃焼感半端ないもん。
それで期せずして、中高生時代の私があんなに繰り返しディルのライヴを観に行っていた理由を思い出した。これだよこれ。
常に高いクオリティでアウトプットを出すアーティストであれば、そんなにしょっちゅう観に行く必要なんてない、だっていつ観たっていいものが観られるんだから。15年前のDirは違った。東名阪以外では消化試合が多くて、でもたまに奇跡的にめちゃくちゃいいライヴをすることもあって、だから一ツアーでも複数公演観に行きたくなる。
そして15年経ってDIRになっても、彼らの、ていうか京のその点は相変わらずであった。
KAMIJO観始めてからのこの6年で改めて感じたこと、「完璧なものに中毒性などない」。ここでもまた再認識した。やっぱり私は不完全で、だけれども時にはそれを覆い隠してしまうほどの圧倒的な何かを持っているものが好き。
というわけで、新木場2日目に続いてこの日のライヴを観に来た友人と、新幹線内で「7000円の価値全くなかったね」「3000円くらいだよね」「まあ、昨日が楽しかったからそれと合わせて14000円だと思えばいいかな」「それは高すぎるわ」という会話をしながら東京に帰ったのでした。
以下詳細。いい日じゃなかったからあんま覚えてないけど。
この日は1100番台だったので、昨日よりも若干後ろの、フロア中ほどで観た。
最初3曲はいつも通りのウォーミングアップ。Schweinはかなり盛り上がってて、昨日の客のテンションが保たれてるかんじ。
しかし京はといえば歌があまりにひどく、歌詞ぶっ飛ばしまくりで歌えてないし、それより何よりまず声が全然出てなくて、これはやばいな…と思う。昨日と違う人の歌聴いてるみたい。
raisonとCageのShinyaのドラミング、イントロとかサビとかの目立つ部分じゃなくて、AメロとかBメロとかの地味なところで昔もあんなに細かく叩いてたっけなーと思うところが何か所もあったけど、昨日までは気づかなかったから、単に今日は歌がひどくて他をよく見てただけで、気のせいかもしれん。
FINALは大規模に歌詞変えてて、これはちゃんと歌えていてよかった。歌詞変え曲と、昔のままの曲が混じるとわけわかんなくなるのかな…サビの、客の合唱部は音源のままだったから、これは再構築版は音源化されてないってことなのかな。指折り数数えフリも健在でした。
そう、歌詞変えてもアドリブで歌ってもなんでもいい、ただ、歌詞飛ばしてきょどって「あqwせdrftgyふじこ」ってなって意味も意志もないことを歌ってる様を見るのが私は嫌い!何を観に来たんだかわかんなくなる。それだったらむしろ無言で威圧するなり踊るなり、何らかのパフォーマンスをしていてくれ。
この日のSUSTAINはAメロの客との掛け合いがちゃんと成立してて聴いてて楽しかった。ほんと、ディルファンは客パートを全力で歌うから偉い!
輪郭聴くのは福岡に続いて2度目。この曲での、イントロと序盤のShinyaがかっこいいことを今日やっと思い出した。あれは素敵。鞭打ってる。特に、1回目のサビの後の間奏が最高。右手で下手側のシンバルを叩いた後、魔法の杖みたいにシュタッっとポーズをキメてる瞬間がある。なんてナルシスト。全セットリスト中で、この一秒ないくらいの瞬間が一番好きかも。輪郭好きだー。後ろの映像も好き。
この日の304とマゾヒストは全く綺麗めではなく、汚いというか感情だだ漏れモードで、これはこれでアリなのかなーと思いつつも、残念ながらやっぱ私は好きじゃないわ。京ファンは好きそうだけどねこういうの。でも私、彼が何やってても別にエロさを感じないからなー。歌どうこうというより全身を使ったパフォーマンス先行の新罪罰も、別に好きじゃないし。
そしてアクロ。始まる前(Dieが座っているので、次にアクロが来ることはわかる)から叫び続けている上手客が多く、嫌な予感はしていたが、まだ曲が終わってないのになんと複数名がメンバーコール。残念でした。京の歌も、Aメロしょっぱなから全然声が伸びなくて、最後まで投げやりそのものにしか聞こえなくて、最悪だった。久々に遭遇してしまった、最悪なアクロの丘。あーあ。私、京のこの歌唱バージョンほんとにだめだわ。
ゆらめきも、今まで以上にカラオケ極まってて、ていうか素人のカラオケでももっとちゃんと歌うわってくらいやる気なくて、アクロでのイラつきをそのまま引きずっちゃってて全然だめでしたね。こういうとこ変わってないな…例え、自分の声が出ないことと一部のファンの絶叫のせいであんたの機嫌が悪かったとしても、客は他のライヴと同じ金額を払い同等の期待を抱いてライヴハウスに来ているんだよ!なんたるギャンブル。だがそこがエンタメ性のポイントでもある。
MASK、旧罪罰、残はこんな日でも圧倒的に楽しくてよかった。
アンコールの予感は、本編からの予想通り最悪な出来。ライヴ自体はよかった福岡と名古屋1日目でもあんまよくなかった予感、ボーカルがこういうコンディションの日にやるとまじで悪夢。なんか、15年前の予感のシングル発売後、カウントダウンTVに出たときの惨状を思い出した…しかも、またもや曲終わってないのに叫ぶ客続出。またしても最悪だ!あなたの好きなDieをちゃんと見てたら、まだギターの演奏が終わってないことわかるでしょーが、とつっこみたくなる。アクロでの反省なし。
大地蹴る新曲は3回も聴くとさすがに耳になじんできた、が、やっぱりあんまり好きではないな。初回よりも印象よくなったけど。
蒼い月は昨日に引き続き、Aメロでのあのオージービーフフリをする人が多くて「うわー楽しーすごいー」ってなった。これ、後にツアー最終日になって初めて気がついたんだけど、京がAメロで左手だけあのフリの手の形してるのね!頭上高々と腕を上げて。あれを見て、蒼い月のあのフリを解禁した人が多かったんだろうなーと予想。私は蒼い月では基本Shinyaばっか見てるので気がつかなかった。
羅刹国は楽しかった、この曲好きすぎ。最早下手の岩と化している薫が動くというだけでレア感がある。たしか羅刹の前の煽りで、京が「かかってこい!」って2回繰り返して言ってて、そこだけうわあああってテンション上がった。殿のこの煽り、懐かしすぎる。98年あたりのあのぐちゃぐちゃ無法地帯ライヴの雰囲気を思い出した…さすがに、「ここまで上がって来い!」はなかったけど。
「全然響いて(聞こえて?)こーへん」といういつものテンプレ煽りの後、ラストは激しさ。この曲、繰り返し聴くたびに好きになるなー。面白い。
全部終わった後、京はやたらと微笑んでいて、いつもの頭上拍手したりして帰って行ったけど、私は「いやこれで喜んでる場合じゃないだろ!ツアー中盤の地方とはいえ、やばいだろ今日のこの惨状は、この先まだ2days公演2回あるけどまじで大丈夫なのか」と思ってしまい、全然のれなかった。
名古屋、約15年前に私がちょこちょこ遠征してた頃は、「名古屋だけは行きたくない」っていう保守派な人と「むしろ名古屋は行きたい」っていうギャンブラーな人がいて、それくらい当時のDirの名古屋ライヴは独特な(言葉濁してます)雰囲気があった印象なんだけど、さすがに2014年になった今回はその手の内戦は勃発してなかった。
とはいえ教育不行届きな客は多いし、あまりにも無謀なノリの客も多いから、立ち位置運が悪い場合は致命傷になる。それとは別に、今日はボーカルの調子があまりにも悪すぎて、結果的に見るに堪えない系の出来であった。
このツアー、申し込んだけど落ちたところが何回かあって、2daysとも観ることができたのはこの名古屋公演だけだったんだけど、やっぱ(ある意味)面白いなーと思った。ライヴは生き物、アーティストのコンディションと自分のコンディション、周りの客のコンディションとの掛け合わせで、いつでも一期一会。前日のあのライヴから24時間経っただけなのに、今日抱いた正直な感想は、昨日のそれとは全く違うもんな。
高校生の頃、嫌というほど思い知らされたその事実を、よくも悪くも再認識させられた名古屋2日目でした。