人の結婚式に出た話

先日、身内の結婚式があった。


私は黒留袖をレンタルして着た。元々は色留袖を着るつもりだったのだが、最初に指定されたレンタルショップには自分に似合う色の色留袖がほとんどなかった。

他のネットレンタル店も複数見てみたが、なぜか30代向けの色留袖というと薄ピンクや薄オレンジ、薄黄色、薄茶色などが多い。私は普段の洋服でもそれらの薄暖色系のものはほとんど着ないので、そんな色を着物で着るという冒険をする勇気はなく、となると選択肢がものすごく狭まってしまった。

それで、色留袖は諦めて黒留袖を着ることに変更。黒留袖は色々あるから好きなものを選べるなーと思ったのもつかの間、今度はサイズが足りないことに気づく。日本人女性の標準的なサイズから外れていると別のサイズ扱いになるのだが、そのようなサイズの着物の品揃えは普通サイズのものに比べ極端に少なく、最初は無数にバリエーションがあるように思われた黒留袖でも、実際には3種類の中から選ぶしかなかった。

さらに、その3種類もうち2種類は黄みの強いゴールド系、残りの1種類だけがかろうじてシルバー系。私はゴールドがあまり似合わないし好きでもないので、消去法でそのシルバー系のものを選ぶことにした。


結局、色留袖から黒留袖に妥協しても、柄のデザインや色配置などの好みで着物を選ぶことはできなかった。着物は体型や背丈に合わせて着られるのがよいと言われるが、それでも対応できない体型なんだなぁと思うと少し悲しくなった。が、まあ普段私は着物を着ることなんてほぼないので、日常では特に支障はない。

しかし、色留袖はどうしてこんなに暖色系のものが多いのだろう。暖色系の方が華やかに見えるからなのかもしれないが、もう少し寒色系も増やして欲しい。薄青や薄紫もあるにはあったけど暖色系に比べて数が極端に少ないし、水色はほんの少しの色みの違いが命取りになるので、今回のように試着できないネットレンタル品では選べなかった。

ほんとは深い青とか、紺とか、緑とかの留袖を着てみたかったな。またの機会があれば着てみたい。


で、当日に人生初の黒留袖を着た感想としては、おお、私、やっぱり黒めっちゃ似合うじゃーん!というかんじであった。まぁ主観です。薄暖色の色留袖で冒険していなくてよかった、黒で正解。

一週間前からめちゃくちゃ気をつけていたので肌の調子も最高だったし、この日のために珍しくファンデーションも買ってベースメイクきっちりしていったし、アイシャドウもリップもはっきりめの色でメイクしていったので、自分でそこそこ満足のいく顔で写真に残れてよかった。



あと、式場のヘアメイクさんと着付けさんはさすがにめっちゃプロだった。

私が普段、人の結婚式に出るときにヘアセットを頼むような、美容室の人やヘアセットサロンの人よりも、さらにさらにとっても上手くて、そして何より速かった。あっという間に着付けてセットしてくれたにもかかわらず、ものすごく綺麗な仕上がりで、最後まで崩れることもなくて感動した。

和装の時のヘアセットについては私は全く基礎知識がないので、インスタのハッシュタグで #和髪ヘア とか #和髪アレンジ などを検索し、その中から好きなものを選んだ。あんまりきっちりしすぎると老け顔がより老けてしまうので気をつけた。あとはトップを高くしすぎたり、前髪を巻きすぎたり固めすぎたりするのも嫌いなんだけど、全部避けられた。見せた画像通りのイメージで、かつ要望通りの仕上がりにしてもらえて、非常に満足。

これまで、ヘアセットを頼むときの参考画像はホットペッパービューティーなどのヘアサロン検索サイトやアプリ内のヘアカタログから選んでいたけど、検索性が悪いので、今後はインスタから探すことにする。アレンジの雰囲気が好きなインスタアカウントさえ最初に見つけてしまえば、その後のヘアアレンジ探しはとてもスムーズだし早い。


ちなみに、浴衣を除いて和服を着るのは非常に久しぶりで、おそらく社会人になってからは初めて。学生のときも、私は成人式にも出なかったし学部の卒業式にも和装をしなかったので、一時期していたバイトのイベントで何回か着たことがあるくらい。

和装があまりにも久々すぎて、着物の着心地がどんなものだったかをすっかり忘れていた私は、当日ちょう動きづらかったり、きつくて途中で気持ち悪くなったらどうしようなどと心配していたが、実際には特に苦しくもなくきつくもなく、食事も問題なく食べられ、かつ、最後まで着崩れなくて何の心配もなかった。

着付けもヘアセットも、とにかくプロの仕事はすごいなあと思った。式場でのこういう仕事、主役の人たちにとっては人生一日限りなのでいわゆる失敗できない仕事にあたると思うけど、そういう場で毎日働いている人はやっぱりすごいね。