2017年にキネマ倶楽部で行われた、カルテットとピアノを従えてのKAMIJO室内楽コンサートのライヴレポです。
目次
全体感想
この日は一日二公演制で、昼の部が室内楽コンサート、夜の部が普通のライヴだった。
私はこの年の夏のEpic Rock Orchestra追加公演のイマイチな出来にKAMIJO熱が下がっており、翌月にはVersaillesのワンマンも3本観に行くしなー、と思って、夜の部には参加しなかった。
というか、前年2016年のツアーファイナルの赤ブリもぐだぐだだったので、ほんとはそのあたりからだんだんとKAMIJOソロ熱が冷めていた。この年に出たカストラートは渾身の出来でよかったんだけど。まあ、この後2018年に見事にSangがド当たりして、Sangツアーから無事返り咲くことになるので特に何の心配もいらないわけですが…
というわけでこの日は昼の部にだけ参加。
室内楽コンサートということで、KAMIJOと、ピアノと、バイオリン2本チェロビオラの6人体制。ピアノはおなじみ佐山こうたさん、弦楽四重奏は玉響さん。
着席形式ということだったがどういうライヴになるのかがわからず、使い道があるのかどうか不明なローズライト(当時は有無を言わさず全員赤)を持参したが、結果から言うと使い道はなかった。客は全員最初から最後まで着席のまま。KAMIJOがステージからはける一瞬だけ、名前を呼ぶ歓声が一部から上がったような。他は概ね拍手だけで、客は無言だった気がする。MCもほぼなかった気がするが覚えてない。
今思うと、その後のオーケストラライヴのときとはだいぶ違う雰囲気で、ライヴというよりクラシックコンサートに近かった。
内容は、全体通してかなりよかった。私はほとんどインストに行かないので、KAMIJOがピアノをバックにアコースティック形式で歌っているところを見たことがこれまでおそらくないのだが、この日は単なるお手軽ノリのアコースティックライヴなんかではなく、曲によってはオリジナル音源よりもずっとよかったので正直びびった。
具体的に言うと主にLAREINE楽曲がよかった。私はなよなよしている精神性が苦手なのでLAREINEはあまり好きではないし、曲も超有名どころ以外はあまり知らないし、バンド自体に強い思い入れもないのだが、そんな私が聴いてもこの日のLAREINE曲はよかった。
KAMIJOは本来は、こういう雰囲気の音の中で、なよなよしい歌を静かに歌う方が彼の声や声量に合っているんだなあと、つくづくわかってしまった。私が大好きな彼の曲調はこっち方面ではないのが惜しいし、残念だが、私個人が好きではなくてもいいものはいいのだから仕方がない。
ソロ曲にしても、私は基本的にはいつものKAMIJOソロが好きなので、ギターベースドラムス打ち込みのオリジナル音源の演奏形式にかなりの愛着があるのだが、この日はそれでもなお「これもよい!」と思えるような出来でした。特にHeartはすごくよかった。原曲を聴いた時点で室内楽アレンジが合うことは自明な曲だけど、予想していた以上によかった。個々の音は抑え目なのに、全部合わせて聴くと普段よりも豪華に聴こえるという不思議。
普段のサポートメンバーとのライヴとは全くベクトルが違う公演で、たしかに昼に着席でゆったり聴くのがちょうどよかった。いい設定でした。会場がキネマっていうのも、キャパに対しては広すぎたけど観る側としては雰囲気的によかった、音のことはよくわからない。
コンサート終了後、こういう形式のライヴもいいなあ、またたまに観たいな、ていうかやっぱりKAMIJOにはいずれはオーケストラライヴをやって欲しいなあ、と、多くのファンが思っていたであろうことを私も思っていたが、この後KAMIJOは一年半後の2019年3月に、あの素晴らしすぎるオーケストラライヴを大成功させてくれたんだよな。あのライヴにつながったであろう、この日の室内楽ライヴを観られてよかった。
ちなみに2018年に出たアルバムSangの完全限定受注生産豪華版にはChamber Music Ensembleという室内楽アルバムがついてくるのですが(この日のライヴ収録ではなく、別日にスタジオ録りです)、これがまためっちゃいいので今からでもぜひ聴いて欲しい。
- アーティスト:KAMIJO
- 発売日: 2018/03/21
- メディア: CD
以下、この日のセトリと感想ツイートです。第一部のもののみ。
セットリスト
Royal Tercet
Louis〜艶血のラヴィアンローズ〜
Romantique
Heart
憂いの花が綴る愛(LAREINE)
あの人の愛した人なら(LAREINE)
mademoiselle
この世で一番美しい薔薇よ
Presto
追憶のモナムール
運命
Romancia「運命の迷い」(LAREINE)
満月のアダージョ
Royal Blood
感想ツイート
参加した昼の部について
KAMIJOソロ、今日のセトリ
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
10/9/2017
KAMIJO Epic Rock Orchestra
-Chamber Music Ensemble-
~高貴なる室内楽の調べ~
@ 東京キネマ倶楽部
セットリスト pic.twitter.com/01tPEF3gQa
あれ私が自分で上げた昼の部の室内楽コンサートのセトリ、一曲抜けてる気がする。モナムールと運命の間になんかあったっけ?運命が12曲目だと思ってたけど、自分で書いたセトリ数えたら11曲目になってる。うーむ
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
KAMIJOの室内楽コンサート、めっちゃよかった!7月のEpic Rock Orchestra追加公演よりずっとよかった。声も歌もとても調子がよかったし、何より生ピアノと生ストリングス4本のアレンジが最高。半年に一度でいいから、クラシックに寄せたこの手のライヴまたやって欲しい。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
Heartと追憶のモナムールを生弦で聴けて、やっぱ裏のメロディーが近い!と実感できてよかったし、Louisのラストも運命もちゃんと歌い上げられててよかった。LAREINE曲はこのアレンジで聴くとめちゃくちゃよい、あの人の愛した人ならとか歌詞やばいけどそれ差し置いて完全に圧倒された
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
7月に聴けなかったHeartをやっと聴けたのが一番嬉しかった。イントロや間奏で、一本ずつ弦楽器が増えてどんどん豪華になって迫ってくるあの感じ、最高すぎる。一番聴きたかった「人は本質を見抜いて〜」の裏のバイオリンもよかったし対になってる追憶のモナムールも同じ日に聴けた、言うことない
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
しかし、かみじょはいつも立って歌ってるときはモニターに片脚かけて曲のリズムと無関係な貧乏ゆすりしてるけど、今日みたいにずっと座って歌うときはマイクを持ってない手で指揮をしてしまうんだな。指揮者的立ち位置であることはたしかだけど、誰も見てないし声が揺れるからやめた方がよさそう
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
追憶のモナムールの入りのボーカルはあまりにも歌謡曲すぎてびっくりして一瞬引いてしまったが、まああの曲歌謡曲だもんな。というかKAMIJOの曲は大抵歌謡曲だよね、ロックバンドじゃなくピアノとストリングスをバックにするとそれが目立つだけで。いずれ、名も無き雨の唄もまたやって欲しいなー
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
そういえば昼の部はローズライト一度も使わず、ずっと座りっぱなしで楽だった。告知は夜の部であるのかな?来年のニューシングルとニューアルバムの告知かな、春ツアーもあるし。ノスフェラトゥを早く音源で聴きたい。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
参加しなかった夜の部について
Imperial Concertoもやったのか、いいなー。音源ベースだと、Royal Bloodのアルバムの中であの曲が一番好き。ライヴで聴くとRoyal Bloodも映えるし、原曲のこと言うと冬東京が好きだけど。まあこれもこの先また聴けるといいな、来年にお預け。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
ノスフェラトゥ、シングルでリリースされるんだ!嬉しい。去年初めて聴いたときは何とも思わなかったけど、今年7月の追加公演で聴いたときには一番圧倒された曲。わけがわからないけど、生で聴くととにかくサビ入りの勢いが凄まじく、KAMIJOには珍しく宗教感がある。また生で聴きたいな。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年10月9日
KAMIJO過去記事