2017年7月のDIR EN GREY MACABREツアーのライヴレポ記事をようやく書くことにする。
複数日分をまとめた感想記事だけを書き、その後下書きを放置していた。
MACABREツアー4公演と、その間のKAMIJOソロのEpic Rock Orchestra追加公演についてまとめてざっくり書いた過去記事がこれ。
なお今は2020年6月です。3年放置してしまった。
まずは私が観た初日、グランキューブ大阪の1日目。
目次
オリジナルのMACABREツアー(2001年)について
またしても昔話から始める。
DIR EN GREYの過去ファンである私にとって、MACABREツアーは非常に思い入れのあるアルバムとツアーである。MACABREは、私がちょうどディル馬鹿真っ盛りだった頃にリリースされたアルバムだった。
MACABREのアルバムを2000年秋の発売日前日にきっちり購入し、初めて聴いたときは、GAUZEのときほどの聴き慣れ感もないし、正直そこまで好きではないかも、というかんじだった。でも、MACABREは回数を重ねて聴けば聴くほどよくなっていくタイプのアルバムで、そして聴き込んだ後に延期されたツアーを2001年に見て、さらに好きになった。MACABREの前に行われた2000年春のDeityツアー、そして2001年に振り替えられたMACABREツアー、そしてその後の蒼天の霹靂。その3ツアーは、とにかくとにかく楽しかった。毎回Shinyaコスして、ディル友たちと一緒に遅くとも昼前には会ってひたすら喋って、夕方からライヴに行って、ライヴ後も長々食事して、土日や春休みや夏休みには遠征もした。バンドも大好きだったし、ライヴもよかったし、ディル友と過ごす時間も楽しかった。
そんな時期に観たツアーの一つがMACABREツアーなので、やたらと思い出が多く、思い入れも深い。
また、私が初めて「ホールライヴもいいじゃん!」と本気で思えたツアーがMACABREツアーだった。
それまでも、インディーズ時の渋公や武道館公演、GAUZEツアーセミファイナルの横浜アリーナ、1999年末の大阪城ホールなどのホールライヴを観てきたが、MACABREツアー以前のディルは、勢いこそはあったものの、クオリティーで見せるタイプのバンドではなかった。ただ当時の私は、その勢い一発勝負みたいな状態のディルが好きでファンをやっていたし、10代半ばの若さ特有の「ライヴハウス命!」みたいな変なハコ信仰を持っていたので、ディルのホールライヴにはさほど期待をしていなかったので、別にそれでよかった。
しかし、このMACABREツアーで、ディルは突然ホールライヴを自分のものにした。ホールを制圧したというか。ライヴハウスではなく、ホールでやる意味があるDir en greyのライヴというのを、私はMACABREツアーで初めて観たんだと思う。
MACABRE(曲名の方)の演出、それに引けを取らない表現力(演奏力でも歌唱力でもない)、凄まじい勢いと迫力の羅刹国の後にザクロをしっとりと聞かせる落差、キラキラ輝くミラーボールと、ゆっくり下りていく薄膜スクリーン。
ディルのライヴを観て素晴らしい演出だなあと思ったのは、このMACABREツアーが最初だった。というか、その後も現役ファン時代にホールの演出で感動した記憶がないので、ファン時代に演出が好きだったホールツアーといえばMACABRE以外にはなかったかもしれない。2014年の回顧GAUZEツアーで久々に復帰した後は、演出レベルが上がりすぎていて、例えそれが自分の好みの方向ではなくても、毎回感動はしているけど。
再MACABREツアー(2017年)について
ここからがやっと2017年のMACABREツアーの感想。
いや、まじで、ほんっとーによかった。結局、参加した全てのディル回顧ツアー(GAUZE、MACABRE、鬼葬、VULGAR、Withering)の中で、断トツで一番よかった。
上に書いたように、私はMACABREについてはそもそもの期待と思い入れが過剰状態だったので、実際に観たらどうなるかという意味で心配していたけど、そんな必要はなかった。
この日、大阪1日目のライヴが終わった後、「わー、すごいすごい、これはほんっとうにものすごいものを見た」「もっとたくさんの人に見てもらいたい」「大阪まで来てよかった」「ホールで観られてよかった」「この後、名古屋も行けてよかった」「ていうか明日もあってよかった」となどという気持ちで頭の中がパンパンに。ライヴ会場から夕飯を食べるお店に行くまでの間、確か数10分歩いたんだけど、その間、猛烈な勢いで感想ツイートを送り続けるほど、とても興奮していた。
2017年のDIR EN GREYは、圧倒的に向上した表現力と新しい演出技術によって、16年前のオリジナルのMACABREツアーを数段階アップデートした形で私に体験させてくれた。
ディルのライヴでよく思うことだけど、ディルのライヴは観るとか聴くとかいうより、体験なんだよね。総合芸術。このMACABREツアーはそれがとてもいい形でできていた。
ツアー参加初日だったこの日、私の席は2階席だった。開場後、さすがにちょっとステージが遠いなあと残念に思ったりしていたが、結果からするとこれは当たりだった。2階席の高いところからステージ全体を見下ろすことができて、演出の全体像を一視界内で全て俯瞰する形で把握することができた。ちなみに、翌日の大阪2日目は1階席だったんだけど、同じ会場で観たのに受けた印象がかなり変わっていて面白かった。
各曲の詳細はもう忘れたので長々長文では書きません。下にライヴ後のツイートを貼るのでそちら参照。やっぱ、MACABREとザクロとain'tが感慨深かった。あと、羅刹国最高。
余談
ついでにライヴの内容とは関係ない話をすると、この1日目のライヴ後に夕飯を食べに行ったお店の店員さんに、かばんの中に入れていたつもりが飛び出ていたフライヤーを見られ、「お姉さん、DIR EN GREYのファンなんですか」と他の客がいる前で大声でつっこまれるという経験をした。
昨日今日と大阪でライヴがあって、今それを観てきた帰りなんだという話をすると、彼も昔ディルなどをそこそこ聴いていたらしく、年代が近い我々は2000年前後のメジャーどころのヴィジュアル系とその周辺文化の話でしばし盛り上がってしまった。「明日当日券出るみたいですよ」「明日休みだから行こうかな」という話もしたが、どうなっただろうか。
以下、セトリと感想ツイート。
セットリスト
Deity
MACABRE -揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹-
audrey
egnirys cimredopyh
+) an injection
鱗
蛍火
ain’t afraid to die
Hydra -666-
Children
脈
Berry
理由
ザクロ
太陽の碧
【KR】cube
Sustain the Untruth
詩踏み
羅刹国
感想ツイート
ライヴ前の懐古話
MACABREの思い出というと、真冬で雪が降る中でのホールツアーの記憶と、その翌年の夏休みの蒼天の霹靂3日間(厳密にはMACABREツアーではない)の記憶が混じってるので、思い起こす景色がことごとく真逆で不思議なかんじ。4月の武道館は部活のイベントで行けなかったんだよね
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
MACABREはステージ前面に薄いスクリーンが貼られてて、たしか曲中盤のちゃらっちゃらっちゃらっちゃらっちゃらー(ギターソロ)でやっと幕が上がる。あの演出はよかったなあ。MACABREツアーは、それまでのディルのライヴで初めて演出に感動したし、ホール公演に耐え得る出来のものだった
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
MACABREでの薄幕スクリーン投影演出と、ザクロの私が壊れる直前からのミラーボールくるくるキラキラ演出、また観たいなー。特にスクリーンの方は、今のディルがやったらなかなかすごいことになりそう。鬼葬ツアーの背景投影とか、すごかったもんな。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
オリジナルのMACABREホールツアーは、Deityの後にアルバム曲順通りに脈が来るパターンと、いきなりMACABREが来てMACABREの曲中盤にならないとメンバーの姿がよく見えないパターンとがあったけど、今回も2パターンやってくれるといいなー
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
あとはたしか本編後半でいつもやってた羅刹国からの間髪入れないザクロ、あれもしびれた。なんなのこのボーカルの落差!という。太陽の碧はMACABREツアーでは全く印象が残ってなくて、蒼天の霹靂の時に空から降ってきた大きな風船と赤テープのイメージしかない。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
当時は、Berryの「パパ、ママ、逆ダーイ!身体に痣傷増やす」でみんなで逆ダイするの好きだったけど、今は2000年ではないので、このタイミングで一人でつっこむとたぶん前の人にめっちゃ迷惑なのでやりません
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
今回のMACABREツアーではAshが聴きたいなー、あとJEALOUS、できればオリジナルバージョン。【KR】とかHydraとかで踊り狂いたい気もするが、自分のテンションがそこまで上がるか今は自信がない。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
Toshiyaが赤タータンチェックミニスカワンピに王冠つけてHydra踊ってたのはNHKホールだとたしか2日目だったような気がするんだけど、あのときのToshiyaの、あざとかわいい美しさはほんとにもう圧倒的で、それまで彼には勝手に色んなことを思ってたけどあの姿を見て全部許せた。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月15日
ライヴ後、ライヴ自体について
今日は「公演内容をSNSに書くの禁止」的なアナウンス一切なかったよ。なのでセトリ書くよ
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
ディルのマカブラツアー、大阪1日目のセトリ
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
7/17/2017
DIR EN GREY
TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ________ [mode of MACABRE]
@グランキューブ大阪
セットリスト
SNS禁止のアナウンスはなかったです pic.twitter.com/jZMRcboa0x
DIRのMACABREライヴ、まだ今日一回しか観てないけど、ツアー二日目の時点で既に凄まじくいいので、行くかどうか迷ってる人は当日券で入った方がいい、ほんっとーに。これ観ないと絶対損する。私が参加した今までの回顧ツアーはどれも楽しかったけど、それらとは一線を画す圧倒的なよさがある
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
2001年のオリジナルのMACABREのときと同じ演出やってくれて、しかも当時よりも格段によくなっててほんとに感動した。MACABRE(曲名)の演出は全体通して素晴らしかったが、特にスクリーンが上がる直前の影絵がやばい。京がほんとに羽化してるように見えた。ザクロのミラーボールも!
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
【KR】のサビはボーカル含めて客も皆踊り狂ってたけど、脈のイントロやinjectionのサビでフリやってる人はほとんどいなかった。injectionはともかく、脈のあのフリは私結構好きだったのだが。Berryのパパママ虐待部分で逆ダイしてる人なんて皆無でした、まあホールだけど。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
今日はしょっぱなのMACABRE(曲名)も素晴らしかったが、やっぱain'tがよかったかな。圧倒された。この曲、ディルのワンマンライヴで聴いた記憶が全くなく、NHKのポップジャム公開収録@ NHKホールで観た光景しか記憶に残ってないから、昔と比べてどうかと言われるとわからないけど
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
ain'tはチベット(もしくは中国少数民族)弾圧や焼身自殺映像がずっとバックに流れてたのでなんだか非常に政治的なかんじになってたけど、そんなんなくても十分いい曲だし、ボーカル一本であれだけ聴かせる力があるのになあと思ってしまった。政治的なメッセージ込められるのはあまり好きではない
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
羅刹国の新版はGAUZEツアーで散々聴いたのでめちゃ楽しかったです。しかしテンポが早すぎてヘドバンが追いつかない、首もげる。鱗は、今日この曲まで大人しかった客席が、一瞬にして宗教化しててとてもよかった。バックにメンバーPV流れるバージョン初めて観た。鱗はとてもヘドバンしやすい。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
明日、JEALOUS(できればオリジナル版)とAsh(これはどっち版でもよい)を聴きたいぞ。JEALOUSのサビとイントロで踊り狂いたい。今日のHydraは666版だったんだけど私これ音源は持ってるけどライヴで聴くの初めてで、わかりやすい展開にもかかわらずあまりノリきれなかった。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
メンバーの髪色(京が鮮やかな緑で薫が金)は高知の時点で知ってしまっていたので驚きはなかった。しかし京の緑髪は初めて見たなあ。なんか、1999年のGAUZEツアー中に彼の髪が黒になったり金になったりまた赤に戻ったり(だっけ?)するたびに、ネット上を情報が駆け巡ったことを思い出した
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
グランキューブ大阪、もしいつもメインホールでの公演時にああいう客誘導を行なっているのであれば、いつかエスカレーターで将棋倒し事故が起こると思う。今日も、もし誰か一人が転んだり、後ろを振り返ってたりして前に詰めないような人がたまたま数人固まってたら危なかった。かなりぎりぎりの運用。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
ライヴ後、知らない店員にディルライヴ帰りがバレた話
昨日、ライヴ後にそのまま飲みに行ったら、私のかばんの中にディルのフライヤーが入ってるのを見た人(全く知らない人)から「ちょ、ディルアングレイじゃないですか。今日、なんかあったんですか?(の大阪弁)」と話しかけられ、その後「丘戦争行きましたか?」と大声で聞かれてびびった
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月18日
その後色々話したところ、私の2個上の歳の人で、昔のヴィジュアル系ファンが持ってたバンドのロゴシールや雑誌の切り抜きを貼りまくったトランク(今なら痛トランクというのだろう)の話や、清春は最近ほとんど活動してないという話など、知る必要が特にない豆知識を得て面白かった。かばん閉めよう。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月18日
ライヴ後の懐古話
GAUZE再ツアーのとき、私はオリジナルのGAUZEツアーを観たときのほぼ2倍の年齢になってたんだけど、今のMACABRE再ツアーでも、オリジナルのMACABREツアーを観たときのほぼ2倍の年齢になってる。それでも未だにこのバンドのライヴを観てる、そのことに自分でびっくり。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
今日の会場のグランキューブ大阪は、2001年の蒼天の霹靂のときにディル友たちと来た会場で、蒼天の霹靂は大阪と東京ベイNKホールの3公演しかなかったけど私にとっては夏休みにコスして皆で遠征してめっちゃくちゃ楽しかった青春のツアーだったので、色々思い出してなんか遠くに来たなあと思った
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
早朝からコスして舞浜まで行ってミッキー電車でディズニーランド行って(当時、ディズニーシーは開園直前でまだなかった)、昼間散々遊んで、またミッキー電車乗って東京ベイNKホール行って、コスのままライヴ観て業で叫んで太陽の碧で風船さわって赤テープ拾って、とか、2倍歳とった今はできない。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
でも夏休みにライヴのためにわざわざ西日本まで遠征し、羅刹国で頭を振り、【KR】で踊り狂い、ain'tで涙し、JEALOUSとAshのセトリ入りを切望する、それは2倍歳とった今でも当時と何ら変わらずできる。というか当時は学校が夏休みだったけど、今はこのために自ら夏休みを設定してる。
— 薫 (@rose_syrup) 2017年7月17日
うーん楽しかった。2日目の記事に続きます。
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