最近読んだ本

すっかり中国語のテキストをほったらかして、通勤中は本ばっか読んでいる。


というわけで今年頭から読んだ本。
私の、一旦ハマるとしつこいという性格をいかんなく発揮して
今年も村上龍ばっか読んでます。


大好きだった吉田修一は前作から違う方向行っちゃったし、
最新刊以外は全部家に揃えてしまったので、もう追っかける余地がない。
村上龍は、35年も作家やってるだけあって著作がとにかく多いから
読んでも読んでもまだまだコンプできず、よい!
この楽しみが、この先もまだまだ続くだなんて、嬉しい限りだなー。


さて、じゃあ読んだ順に。


★★★☆☆
THE MASK CLUB
前半、死人が出てきたり、虫に乗って移動してるうちは面白かったんだけど、
後半はいつものように、女の幼少時のトラウマと男への復讐劇になってしまい
え、またそれかーと思ってるうちに終わった。
途中で、ミクロの決死圏になりだしてびっくりしたよ…
10年前の作品なのにメモリアック(歌うクジラ)的描写が出てきてた!


★★★☆☆
小銭をかぞえる
いやー面白かったー。
計算された自虐、計算されたギャグセンス、
2chのまとめブログ読んでるような独特のノリ、テンポのよさ。
徹底的に自分を下げて、読者に自分を嗤わせといて、
狙い通りに筆者を嗤っちゃってる読者のことを嗤う、という二重構造。
この人ほんと頭いいなあ。
文体もやっぱ好き。この人の体言止めが好き。
他の著作も内容ほぼ同一だろうけど是非読みたい!よい娯楽。
ちなみに、この本を買って以来、我が家では人を罵るときに
「この山猫めが!」って言うのが流行っている。
この人の悪口のセンスが好き。悪趣味でいい!


  • 村上龍「ワイン一杯だけの真実」

★★★★☆
ワイン一杯だけの真実 (幻冬舎文庫)
短編集で、例によって当たり外れが大きいんだけど
いくつか好みのものがあって、その当たり度が半端無かった。
彼の書く夢の話、好きなんだよねー。
センチメンタル系の夢の話もいいけど、残酷系の夢の話が好き。
「ロス・ヴァスコス」の不思議空間もよかったです。
全部読み終えた後、なぜか知らんがすごく癒された。
龍の文章には救いがある。


★★★★★
ライン
きたー。こういう構成の本、好きー!
登場人物全員の父親と母親の性格、および生育状況を
事細かに記してあって面白い。結構、他の著作のネタとかぶってるけど。
黄桃と白桃の缶詰の件で人殴るの、ほんと好きだなー!「共生虫」と丸かぶり。
でも実際、暴力の引き金なんてそんなもんだよね。納得する。
この作品は、ラストが潔いところも好き。
が、しかし!
文庫版で読んだせいで、巻末に田口ランディ
ほんっとーーーにどーしようもない、実にどーしようもない駄文解説がついており
私も私でそれをうっかり読んでしまったので、せっかくの作品のよさが台無しになった。
勘弁して下さい。


★★★★☆
半島を出よ (上) 半島を出よ (下)
有名作で、前評判がよかったので期待して読み始めたけど
内容とテーマは他の村上龍の著作と同じで、特にこれといって新しい発見はなかった。
村上龍お得意の、サバイバル・危機感煽り小説、2005年版。
モチーフはたしかに面白いけど、まあ、娯楽小説だよねー。
映画化の話、別んとこでまた持ち上がらないかな。
途中で何度か中だるみするのと、オチがくだらないのと、
とっくに結論が出てるのに、その後もだらだら長く続くのが惜しい。
そういや歌うクジラも、クライマックスはくだらなかったなあ…
さらには、女で在るがゆえの痛みを背負っている女にとことん甘い、という
この人の特徴が存分に活かされていてウケた。
ちなみに吉田修一も同じ系統。


★★★☆☆
かわいそうだね?
この人の文体、やっぱ好き。
勢いあって、常に独り言で、自己ツッコミで。
こういうブログ書く人いるよねー。好き好き。
この人の、言葉に対するちょっとした気づきみたいのも相変わらず好きです。
しかしこの人は今後もこのまま、
女子ネタでギャグ小説ばかりを書き続けるんだろうか…
面白いけど、でも変わり映えしないからさすがに飽きてきたよ。
私は「夢を与える」でがっかりしたので、この人の長編には期待してないんだけど
短編でも他のモチーフもの読みたいなあ。


★★☆☆☆
希望の国のエクソダス
サバイバル・危機感煽り小説、2000年版。
Tが言うほどひどくはなかったが、たしかに面白くはない。
ある立場の人に、あるセリフを、ある場で言わせたいがためだけに
何百ページも書かれた小説、そんな印象。
これも「半島を出よ」同様、山場の後もずーっとだらだら続く。
うーん。それ苦手。
さらに、90年代末の、インターネットにおける空気感の描写も
「あれ、こんなんだったっけ…?」ってかんじで、
当時中学生だった私が、10年代の今になって読んだところでリアル感ゼロ。
「共生虫」同様、読むのが遅かったか。当時読んでたら新鮮だったのかな。
経済に関しても書き込みすぎで、終始講義モードなので
あまり小説読んでる気がしない。


  • 村上龍「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」

★★★★★
はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)
まさかの5つ星!
春に花見に行ったときにたまたま通りがかった本屋で目にして
聞いたことないなあと思いつつ買った本で、全く期待してなかったんだけど
これが実によかった。
こういう、地味だけど、淡々と事実を押し並べる小説、好きだー。
コース料理との合わせ方も絶妙。さっすが!
いやー、ひょんなところで大好きな作品を見つけて嬉しいよあたしゃ。
文庫版で買ったんだけど、村山由佳の解説もよかった。
この人の小説は読める。田口ランディは無理。


★★★★☆
村上龍料理小説集 講談社文庫
出張中の移動時間と待機時間に読むべく、
旅にぴったりそうな本を、軽い文庫で買ったんだけど
「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」のあまりの素晴らしさにびっくりして
同じく料理小説であるこれも早く読んでしまいたい衝動に駆られ、
そしてあっさり読み終えてしまった。(自制心ゼロ)
数分で読み切れる短編がたっくさん詰まってて、
大抵どれ読んでも旅に出たくなる。
どこか遠くへ旅に出て、その土地のお酒をゆっくり飲みながら食事をして
でもって誰かと喋りたくなる、そんな作品。
一昨年、生まれて初めて中国に行ったときに
円卓に敷き詰められた、山盛りの中華料理にびっくりしたことや、
ずーっと昔、毎年ハワイに行っていた頃に
ワイキキビーチ沿いのホテルで、毎日食べてた食事のことをふと思い出した。
色々と、古い記憶を喚起するいい小説です。好きー。
また読み直したい。




9冊中7冊が村上龍か…
ほんとしつこいな。

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