この一か月で読んだ本。例によって全て村上龍である。
読んだ順に。
★★★★☆
- 作者:村上 龍
- 発売日: 2000/08/10
- メディア: 文庫
- 村上龍「オーディション」
★★★☆☆
- 作者:村上 龍
- 発売日: 1997/12/01
- メディア: 文庫
- 村上龍「エクスタシー」
★★★★☆
- 作者:村上 龍
- 発売日: 1995/04/13
- メディア: 文庫
★★☆☆☆
★★★★☆
- 作者:村上 龍
- 発売日: 2004/03/19
- メディア: 文庫
「エクスタシー」は、前半ケイコの冗長な独白に飽きつつあったけど、レイコが出てきてから俄然面白くなって、そのままの勢いで読了。反復表現いいよね!ケイコに合ってるー。ラストもちゃんとオチてるし、最終段階における読点なしのひたすら続く長文も好みだし、内容も表現方法もとにかく村上龍らしい作品。
「メランコリア」は、龍の小説にしては珍しく、読むのがなかなか苦痛だった。とはいえこれを読まないと次に行けないので、どうにか読み切ったけど。ヤザキの憂鬱と無力感の考察はいいのだが、ミチコの一人称が嫌いすぎる。龍が書く、頭よくてキャリアあってそれ故プライド高いけど、あくまで凡人なのでサバイバル力は低い、っていう女性、私嫌いなんだよなー。ていうか、この手のキャラの一人称文章には龍の悪意を感じる!久し振りにヒュウガ・ウイルス思い出したわ。
ラストの「タナトス」、これもよかった。まあ三作通して、結局のところは人間同士の関与とその限界について書いてるんだけど、SMモチーフなしで同じ内容を書き切った近年の「心はあなたのもとに」の方がすごいかなー。あっちの方がまとまってるしわかりやすいし。
しかしヤザキとケイコとレイコはいいキャラだよねー。続けて他作品にも出てくるのがわかる。ケイコとレイコがよすぎて、遂に天野小夜子と二階堂ミホが出ている龍の映像作品「トパーズ」に手を出してしまいそうになったが、やめた。
いつも本は適当に買ってくるんだけど、今回はどれも刊行年が近くて、龍が映像作品撮ってたあたりの作品であることもあって五作とも女優シリーズだった。
そして今は家の村上龍ストックが切れたこともあり、今更ながらサンデル教授の正義本を読んでます。面白さ、普通。