KAMIJO × Shinya(DIR EN GREY)夢の共演第三夜!KAMIJO -First Live in Japan- The Empire of Vampire @東京キネマ倶楽部 その3

その3、最後。やっと普通のライヴレポ。しかしもうかなり記憶が飛びつつある。

過去記事
セットリストとツイートまとめを載せたその1はこちら
個人的見どころをまとめたその2はこちら


今回、なんと整番が224でした。
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KAMIJOの誕生日7/19に行われるライヴに、Shinya(誕生日が2/24)が出て、その整番が224とか、どれだけ奇跡的なんだ。ディル観てたときも、224なんて取ったことあったかなあ。ない気がする。そもそもホールライヴばっか観てたし。

まあいつも通り、開演直前に入ったのでこの番号は使ってないんだけど、いい記念になりました。Shinya好きな私へのプレゼントだと思い込むことにしてる!


そういえば今日は珍しく開演が押した。15分くらいかな?客電が落ちて、Vive le roi!の連呼のインストが流れる中、サポートメンバーが上手から登場。Shinyaが出てくると、ものすごい歓声とShinyaコール!すごい、たしかにソールドしてるし、実際いっぱい入ってるもんなー、と思ったら、その後に出てきた主役・KAMIJOに対してはそこまでの歓声もコールもなく、ああそうだ、今日の動員のおそらく大多数はShinya動員なんだ、と思い出す。

ちなみに、メンバーが登場しても全然押さなかった。ほんと、びっくりしちゃうくらい、全くもって詰めず。私のいた付近では、ライヴ終了時まで開演前の人口密度がほぼ保たれていて、こんなに広々と観られたライヴなんて久々な気が。ラッキー。

Vive le roi連呼のインストとメロイックサインで煽る楽器隊とかみじょ、しかし客からの王万歳コールはなく。まあ初回だしほぼほぼ他メンバーのファンだからな。これ、次のアルバムの一曲目にでも入るんじゃないかなあ。Preludeみたいに定番化したらいい。

ちなみにKAMIJOの登場時の衣装はSymphony of The Vampireの黒衣装、サポートの4人は4月と一緒でお揃いのKAMIJOコス。


 

Presto

「Symphony of the Vampire」と言って、始まったのは第一楽章、Presto。てっきり一曲目は闇夜のライオンで決まりだと思い込んでいたのでややびっくり。しかし大好きな曲なので集中して観なきゃ!と意気込んだ、が、KAMIJOの後ろにいるShinyaのドラミングが派手すぎてKAMIJOに集中できず、いきなりShinyaに視線を奪われる。

PrestoとThroneでのShinyaのドラミングは、この日のトップ3には入るくらい、めっちゃかっこよくて綺麗だったー。イントロからガンガンに縦揺れしてて、しょっばなから飛ばしてて嬉しかった。全力少年である。

Sacrifice of Allegro

そのままの流れで2曲目。この曲、初めて音源で聴いたときからドラムが大好きで。Versaillesでも、SUZERAIN以来なかった馬車ドラムじゃないですか!もうイントロのドラム聴いただけで、石畳の上を馬車が疾走するさま、馬に鞭打つさまが目に浮かぶ。好きすぎる。しかも、今日はこれをShinyaが叩くだなんて!

この曲のドラムのリズムでヘドバンするのが一番好き。速すぎず遅すぎず。SUZERAINも大好きだったなー。あの曲は、イントロのヘドバンも、Bメロの頭上手拍子からの逆ダイも、一曲通して楽しくて大好きだった。2012年の春ツアーの柏で数年振りに聴けたとき、嬉しかったなあ。

と、この曲をまた聴けた喜びにテンションが高すぎて、実際どうだったのかあまり覚えていない。Shinyaの馬車ドラムは、派手で、優雅で、素晴らしかった。めちゃくちゃ鞭打ってた。そしてほとんどKAMIJOを観る暇がなかったのでボーカルが何やってたのかよく知らない。

そうそう、「広場に集まった民衆の声」の後、今日も客にマイク向けてたけど、なんとも返しづらいです。

Royal Tercet

音源順のまま、続いてRoyal Tercet。やっとShinyaが大人しくなったのでKAMIJOを見られるようになったのだが、これといって何も覚えていない。この曲、4月のタワレコインストアのときもあんまり印象に残らなかったんだよなー。三拍子に合わせて、ひたすら手横振り。

そうだ、ラストのオルゴール部分、今日は歌なしで音源通りでした。4月はTresor歌詞で歌ってたよね。

Dying-Table

さらに音源通りの曲順で4曲目。真っ赤な照明。4月よりは盛り上がっていた、気がする。Shinyaファンのおかげか?

ていうかこの曲、Royal Tercetのオルゴール音がフェイドアウトして、一瞬静かになってからShinyaのカウントで始まったんだけど、そのドラムの入りがめちゃ早くてね!「うっわー」ってつんのめったわ。前の曲の余韻とか、一切感じさせないほどに容赦ない入りであった。無表情で、静寂をあっという間に切り裂くこの無慈悲さ、懐かしいなあ、さすがShinya。そこが好きよ。

しかしやっぱりこういう曲はKAMIJOの声量と歌唱力にマッチしていなくて、シャウト部分でもその前後のポップな部分でも、空回り感すごい。頑張ってる感は伝わる。


ここでMC。「待たせたな子羊たち~どうのこうの」、みたいな軽い挨拶だったような。ファンの呼称は子羊になったらしい。そうですか。あ、そうだ、「ようこそ、我が国へ!」って言ってた。「我が城へ」じゃなくなったんだなーと思うと感慨深い。あと「やっぱりこのステージは、ふっかふかのベッドみたいで、トトロのお腹みたいに気持ちがいいなあ!」が出たのはこのときだっけ?客、一瞬間を開けて失笑。この間の長さ見て、ああやっぱいつもとは客層違うなあって思う。なお私のMC内容の記述は全て意訳です。

MCの間、Shinyaは大人しく座っているわけですが、ライヴ中は終始ドラムセットに横から風が当たっていて、彼の髪と衣装のボウタイ(?なんていうのあれ?)がそよそよとそよいでいてかわいかった。あと、休憩になると手の平サイズに折ったハンカチで優雅に顔の汗をぬぐっていて、「なんて貴婦人なんだ、完璧すぎる」と驚いたのだが、あれ後になってディルファンの友達に聞いたところ、どうやらディルのグッズのタオルかなんからしいですね。すごい。抜かりない。

Moulin Rouge

「踊り狂おう」というMCとタイトルコールの後、遂にムーランルージュ!すっごくよかった!この会場の雰囲気にぴったりで。最初にPV予告編見たときからテンション上がって、音源フルで聴いてもやっぱり好きで、でも生で聴いたらますます楽しかった。ここで初聴きできてほんとによかった!

PVでやってるようなステッキぶん回しはなかったです。これ期待してたのでちょっと残念。あとサビは窓拭きワイプ手フリ…だった、たしか。いまいちなじめず。あと、かみじょの歌は生で聴いても全くエロさが感じられない。過剰なムーディーさはあるのにエロくない、これは一体。

あとは、Shinyaがこういう曲叩くってのが新鮮すぎてウキウキしたー!が、周り全然盛り上がってなくて、ああそうかこの曲、Shinyaファンは知らない人が多いんだろうなあと納得(4月のインストアライヴを観るために、Symphony of the Vampireは買ったが、その後のシングル2枚まではわざわざ買ってないShinyaファンが大多数であろうと予想)。Bメロの「ドクドク」部がなかったらもっと悲惨なノリになっていたかもしれない。でもいいんだ、私は好きだから。

で、パリのセトリだとこの次が冬東京だったので、アウトロからもう私は気が気じゃなくてムーランルージュに集中できなくなってたのですが…

冬東京

来たよ!冬東京!!

あの、イントロを聴いたときの心臓のばくばく具合と、全身がどよどよするかんじ、なかなかない!

って、全く同じことを同じブログに2回書いても仕方がない(twitter入れたら3回目だ)。私の個人的思い入れ詳細についてはレポその2に書いたのでそちらを見て下さい。

この曲一曲聴けた時点で、もう私このライヴの元取りました。

次回、今度は秋ツアーで、いやできればハロウィンで、HIZAKIが演奏する冬東京をまた東京キネマ倶楽部で観たい!その後、冬のAiiAのステージで、ほんとの冬東京で歌われる冬東京を観たい!夢と欲望は、一つ叶えられた瞬間にとめどなく広がる。

幻想トリアノン

大感動の冬東京の後、幻想トリアノン。もはや放心に近い状態で、特に大好きでもない曲だったので期待してなかったんだけど、これがすごくよかった!

初聴きだったけど、音源で聴くよりずっと劇的。ぼーっと聴いてたのに、「革命の火が」部分に圧倒されて、そのまま聴き入ってしまった。この頃になるとKAMIJOの歌も安定してきていたので、中盤にこの曲があってよかった(KAMIJOは5曲くらい歌った後からでないと声量が安定しない)。ここでボーカルスイッチ入ったかんじ。しかしながら、さすがに最後の高音は厳しく、残念な締め方に。惜しいぞ。いつかまた完璧なコンディションでこの曲を歌い上げてくれるのを楽しみにしています。

ライヴで聴くとまた印象が全然違う曲ってちょいちょいあるんだよね。幻想トリアノンは去年夏のソロファーストシングル収録で、音源ではもう何度も何度も聴いた曲ではあるけど、いい意味で予想と違っていて嬉しかった。

Tresor

楽器隊がはけて、ステージ上にはKAMIJO一人が残り、Tresor

これも音源で聴いてたのとかなり印象が違った。ライヴで聴いたら、思ってたほど明るく開けたかんじはしなくて、むしろ悲痛さが色濃く漂ってて不思議だった。間奏のバイオリン?のメロディの印象が強く残ったからかなあ。

KAMIJOはステージ下手にある階段を上って行って、頂上付近で階段に座り込んで、フロアの客を見下ろしながら「いつかきっと鳥のようにパリ中を見渡して いつか父と同じように国中を見渡せるのかな?」をやっていました。ベタだ。ベタベタだ。だがいい。突如演劇調。

しかしこの曲はKAMIJOの音域に合っていていいですね。曲としては特に好きではないけど、純粋に歌だけ聞くならとてもよい。高すぎず低すぎず、噛むほど早口でもない。安心して聴いていられる。安定して伸びやかな声が出ていてよかった。

客は黙って棒立ち。

Grazioso

そして次はやっぱりGrazioso。まあ、ここしかないよね。Tresorに引き続いての演劇展開というかオペラ展開というか宝塚展開というか、であります。

相変わらず階段を上り下りしながら歌うKAMIJO。わざとらしく演劇的な動きだが、慣れていないのかぎこちなく、いつ階段を転げ落ちてもおかしくないようなかんじで、非常にひやひやする。

そんな中、上り切ったバルコニー部分で、この曲一番の見せ場のセリフ。「美しくなりたいか」あー、入るタイミング間違ってしまったー!「……悪魔が僕にささやいた」どうするのかと思ったら、「……欲しいならくれてやろう」あー、ここで時間切れ。肝心な何をくれてやるのかを言えず、タイムアウト。惜しいー!また次回!

しかし、サビの「さぁ歩こう私の道を 深紅の薔薇に包まれながら」、これはいい。久し振りにKAMIJOの決意歌詞を聞けて嬉しいよ。Versailles後期に足りなかったのは、まさにこの時代錯誤をもいとわない、確固たる意志と覚悟の表明!

ちなみにこの部分は最後2拍ずつの手拍子でした。一気にスペイン。オペラだ。

この曲では最後にまたファン的見どころがあって、バルコニー上に立ったKAMIJOが曲の最後の「深紅の薔薇に包まれながら」を歌い終わった後、衣装のマントをカッコ良くバサっとひるがえして、ひざまずくようにしゃがみ込んだんだけど、ちょ、そのマント、頭からかぶっちゃってるー!自分でひるがえしたマント、自分でかぶって、まっくろくろすけになってる!あまりの様に吹き出してしまったが、直後に照明が全落ちしたので爆笑しないで済んだ。あれはたまたまなのか、わざとなのか…変だよ。

BASTILLE

照明落ちたままKAMIJOもバルコニーからはけて、しばらくしてからステージに楽器隊登場。曲はBASTILLE。Shinyaはあっさり定位置につくも、弦楽器隊は珍しくステージ前方にまで出てきてメロイックサインで煽る。Shinyaの登場に、久々に客から歓声が沸く。

ちょっとの間の後、KAMIJOがステージに登場。タイトルコールがあったかどうか忘れたけど、そのまま演奏に突入。そうか、セトリのこの位置ってことは、Threshold的位置づけなのね。本編中盤から後半にかけての切り替え曲。

この曲は私の中で大化けだった!この曲が収録されている闇夜のライオンの発売前、「最もヘビーな楽曲」という触れ込みで、Dying-Tableみたいなのを想像していたらそっチケ方面じゃなくて、これライヴで大丈夫かねと思っていたけど、何の心配もなかった。

ライヴで聴くと音源よりもかなり迫力がある、そして、この手の曲はやっぱ楽しい!曲途中で、終わって欲しくないと思ってしまうという類の楽しさ。DirのHydra思い出したわ…あれも、音源で聴いたときは全然ピンとこなかったけど、ライヴでの楽しさ異常だった。ひたすら前後手フリ、からの、ひたすらヘドバン!ホールライヴでも楽しかったもんなー。

ていうか、この曲のノリ方が浸透してきたら、がっつり逆ダイしたい!!レッカペのときのこととか考えると、ライヴハウスにおけるKAMIJOの「飛べ!」は「逆ダイせよ」のことがあるので(LIBIDOみたいに、単に飛び跳ねの場合もあるが)、この曲もいずれぐちゃぐちゃ逆ダイ曲になったら楽しい。

Shinyaファン動員がなくなる次回からも、盛り上がるといいなー。

闇夜のライオン

ここでようやく闇夜のライオン。絶対一曲目だと思ってから、最初がPrestoだったのには驚いたけど、でもこの曲大好きだから、KAMIJOの調子が安定してきた中盤で聴けるの嬉しいなー。Aristocrat'sもね、幕開けにふさわしすぎる曲だから、やっぱホールライヴでは特に一曲目で聴きたい反面、最初はどうしてもKAMIJOの歌が安定しないので最高のものを聴けない、というジレンマがあり、本編ラストに来ていいコンディションで聴けると嬉しかったりした。あれと同じ。

この曲も楽しい!シングル発売前の予告編(Bメロラスト~サビ)見たときは「あーなんか王道だ、Versailles中後期っぽい、ていうかMASQUERADEっぽい」ってかんじで、ムーランルージュのときほどテンション上がらなかったんだけど、いざ買って通して聴いたら、イントロアウトロもいいし間奏もいい!なんせKAMIJOがマークパンサーになってるし!ライヴでも、間奏中のマークパンサーは音源通りに健在で、なんか新鮮すぎて見てて面白かった。

最初っから最後まで通して、飽きずにテンション高く楽しめる曲だなー。ライヴで聴く分には、Louisより好き。これからもずっとやって欲しいわ。


で、ここでMC。

「ボンジュールハニー!」に対し「ハーイダーリン!」、「お・と・こ!」に対し「あ・に・き!」で返すという教育がされました。兄貴コールはVersaillesのときからだけど、「ボンジュールハニー」に対する返しが正式に「ハーイ、ダーリン」になったのは、私の行ったライヴでは数年振りで、懐かしくなった。これ、たぶん前回聞いたのは2009年のニューイヤーパーティーのときかな。あのとき、「あっVersaillesでもこの返し解禁したんだ!?」って思ったけど、その後のライヴでKAMIJOが「ボンジュールハニー!」と言っても客の多くは「ボンジュール!」「きゃー」と返すばかりで、そのうち「ボンジュール」の応酬だけに簡素化されていた。

が、遂に戻ってきましたボンジュールハニー。90年代後半、「ボンジュールハニー!(文末、裏返り声で)…LAREINEのボーカル、KAMIJOです。」と、場の空気を一切読まない自己紹介をいつもラジオでしていたKAMIJO、あれから15年以上経って40歳を目前にして、なおもこれを貫いているKAMIJO、寒いを超えてもはや偉い。

掛け合いのあと、「LAREINEVersailles、そしてソロと、僕のMCスタイルはほとんど変わっていないんだ」「こういう僕のMCを、サポートメンバー達はどういう顔で聞いてるんだろうっていうのが楽しみで」→Shinya:真顔で無視 DAISHI:吹き出す→「ほらDAISHIくんは楽しそうにしてくれてる」みたいなやりとりがあり、DAISHI偉いなと思ったけど、このMCも、もしかするとこのタイミングじゃないかも。

「『お・と・こ』と言ったら『あ・に・き』と返す、こういう繰り返しのことを、音楽用語でソナタっていうんだよ、じゃあ次の曲、『Sonata』」えーっ、いくらなんでも無理ありすぎ!久々に無理な曲導入MC聞いたわ。美容院のシャンプー話から、ちょう強引にzombieに持ってった2010年のJCBホールのこと思い出したわ。力技すぎてウケる。

Sonata

というわけでソナタ。「ソナタを掻き立てる 美酒となる血はどこに」っていうオヤジギャグから始まる曲ですが、この曲も好き!

途中、ものすごく部分的にShinyaのドラミングがかっこいいところがあって、私の周りの客(ほとんど全員Shinyaファン)と同時に私も沸いた。が、どの部分だか忘れた。

この曲の途中で、2,3回はっきり聞き取れる音量でノイズが入って、そのときにKAMIJOが上手の舞台袖を睨んだ顔がめちゃ怖くて、おー、こっわー!!と思った印象が強すぎて、他あんまり覚えてない。ものすごい顔してた。

で、曲の最後ではKAMIJOが一人で下手の階段を上っていって、バルコニー上で曲が終わった。このとき、なんだか唐突に下手に移動しぎこちなく階段を上っていったように見えたので、もしかしてさっきのトラブルの関係なのか…?と思ってしまった。

ちなみにこの間、客のほとんどがKAMIJOのいる下手階段~バルコニーではなく、真正面向いてステージ凝視しっぱなし!そうか、さっきKAMIJOがバルコニーに行ったTresorとGraziosoでは、Shinyaの演奏なかったもんね、今回はShinyaがまだステージで叩いてるもんね、わかるよ…!しかし露骨であった。

満月のアダージョ

音源通りのイントロが始まって、ステージで楽器隊が演奏を始めても、KAMIJOが出てこない。しかし演奏は続く。サポートメンバーも、特にきょどってない。

なんだこれは?トラブル対応行ってんの?歌い出しまでに帰ってこれんの?と心配になっていたところ、イントロ終了ぎりぎりのタイミングで、バルコニー上にスポットライトを浴びてKAMIJO登場。しかも、なんか白い!最初、バスローブにでも着替えたかのように見えて、なんぞ!?と思ったら、白衣装に早着替えしていた。パンツそのままで、上から羽織って、たしか手袋も替えた。すごいな、差し迫る王の即位に合わせて、衣装変えてきたよ!完璧だ。ライヴで、アンコール前後とかじゃなく、曲と曲の間の短い時間だけで早着替えするKAMIJOを見たのってたぶんこれが初めてで、予想してなかったから新鮮だった。

白衣装に着替えてしゅたっとバルコニーに出てきて、ひざまずいてポーズ決めた瞬間、客がほんの一瞬だけ沸いたんだけど、それが「きゃー」でもなく「かみじょー」でもなく、「…おお、(小声)」みたいな音だったのがよかった。KAMIJOファンの、この落ち着きが好きだよ。

その後、ゆっくりと階段を下りてステージに戻って歌い続けるKAMIJO。しかしこの間も、客のほとんど(Shinyaファン)は、主役不在のステージに向きっぱなしで、ちょっと切なかったぞ!

Throne

そしていよいよThrone。4月のインストアではこの曲をやらなかったので、非常に楽しみにしていた。

が、アダージョが終わってこの曲が始まった瞬間、イントロからまたもやShinyaのド派手全力華麗すぎドラミングが始まり、完全にそっちに釘付けになって、ほとんどKAMIJO見られなかった…!ほんっと、Shinyaが叩くPrestoとSacrifice of Allegro、そしてThroneは最っ高。派手すぎ。この3曲だけでも、彼のドラミングを見る価値あり。

KAMIJOはというと、PrestoのイントロやSacrificeのBメロにも使われている、Symphony of The Vampireのメイン旋律に合わせて「心臓をえぐり出し 硝子の玉座に乗せ」の部分、非常に慎重で、でもKAMIJO歌唱で、ここぞという場面で彼が見せる気合いにあふれまくった顔つきをしていて、とてもよかった。

追憶のモナムール

てっきりThroneで本編締めだと思ってたのに、ラストーと言ってさらに一曲。なんでここでモナムール?Throneで締めた方がかっこよく決まった気もするけど。シングル候補だったというだけあり、メロディアスでとってもいいけど、本編ラストに持ってくるほどの盛り上がりはないかんじだった。アンコール一曲目あたりがいいのでは。

この曲の中盤で、KAMIJOの白衣装についてる白い羽が取れて、空調に乗ってステージ上方へとどんどん舞い上がっていって、Shinyaの頭上前方を通過して、下手へと飛んでいったの、なんだか幻想的で印象に残った。青い照明と白い羽がばっちりマッチしてて。こういう偶然に立ち会えると得した気分になる。

この曲で本編終了。メンバー全員、非常にあっさりとはける。



アンコールは、客の「…なんて言ったらいいんだ??」という戸惑いが感じられる長めの間の後、結局普通の「アンコール!」with手拍子になった。KAMIJO様から事前に何度かお達しが出ていた「Vive le roi」の掛け声はなし。まあ、KAMIJO以外のファンが大多数だった今日いきなりこれをやるのは難しかったね。

たぶん、今日のライヴの最初に使われてたVive le roiのSEがアルバム一曲目に入るんじゃないかと思うし、秋ツアーからは本人直々にがっつり教育が入って、ファイナルではVive le roi大連呼になるであろう。


Versaillesのときと同じくらいの間を空けて、メンバー登場。またもや、Shinyaのときだけものすごい歓声!こんなにShinyaコールが大きいライヴに行ったのは、彼を観に行くようになってからのこの17年間で初めてかもしれん。ちなみに、アンコールではKAMIJOだけLouisの紺衣装に着替えてました。この衣装初めて生で見たけどいいね。品がよい。

メンバーが位置について、KAMIJOが何か喋りだそうとしたそのタイミングで、ギターが聞こえて、?と思ったら、DAISHIがハッピーバースデーのメロディを弾いている。私この日がKAMIJOの誕生日だってこと、ライヴ中は完全に忘れてたから、サプライズが来るだろうとか全く思ってなくて、だからほんと私にとってもサプライズだった。その後、他の楽器隊も入って引き続き演奏。下手からケーキが出てきて、客が歌って、キャンドル吹き消しという流れ。KAMIJOは「ありがとう。バンドのときはいいけど、ソロになって周りが皆サポートメンバーだから、自分から言って仕込まなきゃいけないのかなとか思ってた」とか言ってました。

その後、「お決まりの…」と言って手袋をはずすKAMIJO。白いケーキのクリーム部分を人差し指ですくって、自分で食べんのかと思いきや、くるりと振り返ってShinyaのところへ。一瞬だけ後ろに反ってきょどるShinya。こっから、客大絶叫。そのままドラム台の左に立ち、Shinyaのに指を向け、ShinyaがKAMIJOの指から白いケーキをぺろっと一口で食べ、KAMIJOが「ごちそうさまでした」とかなんとか言って自分もその指をなめる、という、一部のファンが失神しそうなことをやってのけた。わかってるなかみじょ!策士だなかみじょ。

本日、客が一番盛り上がったのは間違いなくここでした。曲の演奏中ですらない!!ほんとウケる。

KAMIJOがケーキを片付けてもらおうと「爺や!」と言ったら、出てきたのは女性スタッフさんで、客含め一同苦笑。言い訳してたけど。そういえば今日はこのスタッフも、開演前に音チェックするスタッフだかローディも、皆お揃いの黒ケープつけて衣装風にしてて、世界観ぶっ壊さないように細かいとこまで凝ってんなーと思って感心した。


客の半端無い絶叫が終わり、ケーキも片付けられて、客のざわざわが終わってから告知。内容は、

・9/24にソロメジャーファーストアルバム「Heart」発売
・10/25のハロウィン大舞踏会には、既に発表されているHIZAKI以外に、MUとSchwarz Steinがゲスト参加

でした。まあ予想通りですね。ハロウィンはもっとゲスト呼ばないとやばい気もするが。


告知終了後、ソロ活動について語るKAMIJO。「ソロになってから、孤独についてよく考えるようになった。孤独っていうと、みんなたぶん、寂しいとかいうイメージがあると思うんだけど、でも、先頭に立つ者、頂点を目指す者は、皆、孤独だと思う」と、やわらかくも確固とした表情で言い切り。日経ビジネスかなんかの社長インタビュー記事か、プロフェッショナル仕事の流儀やカンブリア宮殿の類の番組のテロップかと思うわ!ベタだが、素敵すぎる。正直に言う、感動した。今の彼にふさわしい発言だ。早いとこ情熱大陸に出て、ドヤ顔で同じこと言ってね。

運命

で、「そんな孤独について、何度も考えさせてくれる、Versailles時代の大事な曲です。聞いて下さい、『運命』」みたいなかんじで運命スタート。

これがまたすっごくよかった。そもそも私はGod Palaceが未だに大好きだから、セルフカバーとはいえ嫌だなーと思っていたんだけど、いざ音源聴いてみたらこれはこれでアリかな、と思っていた、が、生で聴いたらさらによかった。なんか、明るい曲調で、やわらかに歌い上げているにも関わらず、鬼気迫ってるんだよね!この曲、もはやただのバラードなんてもんじゃない。人生を背負って書かれ、人生を背負って歌われてる、彼の人生演歌そのものなんだよ。そのことが、今日生で聴いてみてすっごくよくわかった。

私他人のプライベート興味ないけど、今日のこの歌は、なんか、結婚とかパートナーの出産とか、人生に多大な影響を与える出来事でもあったんですか、と言いたくなるような雰囲気だった。ああそうだ、音楽関係者が自分の結婚式でパートナーに向けて自作の歌を歌い始めちゃったとき、あれに近いかんじがした。ほんと、迫力が凄まじくて。ゴッパレの時にあんなにさらっと歌ってた歌詞、このアレンジでじっくり歌われると重いわ!だがそこがいい!

最初はカラオケにのせてボーカルソロ、途中から楽器隊が入るかんじ。バンドなしの前半の方が歌謡曲感強いけど、後半は後半でアリ。

Louis〜艶血のラヴィアンローズ

そしてラストはLouis。

インディーズソロデビュー時のデビュー曲で、大好きだけど、しかしやっぱりライヴで聴くとあんまりよくない!4月もそう思ったけど、今日も同じ印象だった。ゆっくりしてて中だるむ。ドラムのせいだろうか…ShinyaのKAMIJO曲演奏もこれでほんとに最後だからと、ちゃんと見ようとしたけど、PrestoやThroneのときと真逆であんまり見どころなくて、KAMIJO見てた。

しかしながら。曲の最後の「ラヴィアンローズ」の高音、数年前のKAMIJOだったら絶っっ対どっぱずしてたじゃん?でも、今のKAMIJOはきちっと決めるんですよ。すごい!すごすぎる!ブレず、切れず、歌い切った瞬間、「おお!やった!やったよかみじょ!やったねかみじょ!!」みたいな謎の感動が。2011年の夏ツアーのさいたまで、序盤にもかかわらずゴッパレのラストを決め、さらに中盤のFaithでもラストを完っ璧に決めたときのあの感動が3年ぶりにやってきました。

KAMIJOは、ライヴでも安心して見ていられる歌唱力を身につけた。嬉しい。


演奏終了後のお戯れタイム、サポートメンバーを一人ずつ紹介。Shinyaの番のとき、彼がKAMIJOの右隣まで出てきて、「DIR EN GREYのツアーが始まっちゃうから、Shinyaくんはサポートを一時お休みだけど…」とKAMIJOが言って、「いやお休みじゃなくてこれで最後だろ、あざといなかみじょ」と思っていたら、両手でうえーんというかんじの泣き真似をするShinya。なんだこのおっさん。KAMIJO以上にあざとすぎる!なんちゅーやつだ。

最後にステージに残ったKAMIJOは、ステージ前方で「俺を呼ぶ声が聞こえない」的なベートーベン煽りをした後、笑顔で去って行きました。



というわけで、KAMIJOとShinyaが共演するという、私にとって夢のようなライヴは大満足のうちに終わった。

あんなに作り込んだ世界観を音源でもライヴでも見せてくれて、それをリアルタイムで実際に楽しめるなんて、私は幸せ者だなー。終演後、「楽しかった!」という喜びだけにとどまらず、「あぁ、ありがとうございますありがとうございます!」みたいな謎の感謝にまで至るライヴってあんまりないので、今日は私にとってほんとにいいライヴだったと思う。

これでShinyaはいなくなっちゃうけど、アルバムも秋ツアーもすっごく楽しみ!Versaillesなき後も、私にこれだけの楽しみを与えてくれるKAMIJOソロ、今後も大期待です。



KAMIJO - Throne - YouTube