6月18日に、KAMIJO(元Versailles)のソロ2枚目のシングルが出ました。
KAMIJO - Moulin Rouge - YouTube
KAMIJOの2ヶ月連続シングル・リリース第1弾「Moulin Rouge」(読み:ムーラン・ルージュ)。
パリのキャバレー「ムーラン・ルージュ」を舞台にヴァンパイアが大暴れするアッパー・ソング。
カップリング曲にはソロ・メジャー第1弾の前作「Symphony of The Vampire」のアナザー・ストーリーを描いた「Tresor」(読み:トゥレゾール)を収録。
「Tresor」では、ソロ・メジャー第1弾の前作「Symphony of The Vampire」の主人公ルイ17世のフランス革命前のアナザー・ストーリーが描かれている。
通常盤のみ、最新ネオ・クラシカル・ナンバー「追憶のモナムール」収録。
ソロ1枚目のシングル「Louis~艶血のラヴィアンローズ~」が発売されたのは2013年8月28日なので、約10か月空いてる!結構経ったんだなあ。
ソロ1作目であるこのシングルはインディーズ、その後のワーナーからのメジャーデビューはミニアルバム「Symphony of The Vampire」でしているので、ソロメジャーでのシングルとなるとこれが1枚目ですね。
3種発売されているけど、私は迷わず通常盤を買いました。複数買いによるインストアイベント特典には興味がないので1枚しか買わないんだけど、通常盤には初回限定盤AとBには入っていない3曲目「追憶のモナムール」が入っているし、3曲のinstrumentalバージョンも入って全6曲収録。
私はVersaillesのときから、歌なしのインストバージョンがとっても好きなので、これが公式に買えていつでも聴けるというのはとても嬉しい。今回の収録曲も、歌なしの方がいい部分が多数あるよ。
初回限定盤Aには「Moulin Rouge」と「Tresor」2曲のPVが入っているけど、今回はおそらくこのシングル収録のアルバム発売が先に控えていることもあって、ワーナー公式から「Moulin Rouge」のPVが発売と同時にフル公開されてます(一番上に貼ったやつ)。なのでますます通常盤がおすすめ。

- アーティスト:KAMIJO
- 発売日: 2014/06/18
- メディア: CD
Moulin Rouge
さて表題曲「Moulin Rouge」ですが、めっちゃくちゃ好き!Versaillesのまま耽美ヴァンパイアストーリーを前面に押し出したファーストシングルとミニアルバムの次に、これをシングルで出すってところがとてもよい。
こういう飛び道具的な曲、Versaillesのときには「LIBIDO」とかなくもなかったけど、シングルになることはなかった。ソロにだからこそできる技!よくぞ出してくれた。
パリの本場ムーラン・ルージュを舞台にしていると言ってはいるが、明らかに昭和歌謡で、どちらかというと新宿の方のムーラン・ルージュのイメージである。ていうか、PVのタイトルロゴとか見ても、たぶんそっちを狙ってる。LAREINE時代の、歴史に残る大名曲「冬東京」再来きたーーーというかんじです。どうせやるなら徹底的に振り切る、ああ本当に素晴らしい。
そして「今宵もパリでは秘密のパーリー(Partyの意)」という、ただのオヤジギャグを、メジャーシングルのサビ頭に持ってきてしまうKAMIJOさん、最高です。もはや赤口紅が似合わなさすぎてもなんでもいいよ、曲がいいから。PVで終始杖をぶんぶん振り回しているのは本家ムーラン・ルージュの風車のイメージなのだと思われるが、なぜ赤いステッキにしなかったのかよくわからん。
7/4に行われた初の正式ワンマンであるパリ公演では、「Moulin Rouge」の後に「冬東京」をやったという情報もネットではちらほら散見され(※真偽不明→ほんとでした)、是非日本でもやって欲しい所存であります。セットじゃなくてもいいから、冬東京を東京キネマ倶楽部で聴きたい!夏東京だけど!
Tresor、追憶のモナムール
カップリングの2曲は下で30秒ずつ公式試聴できます。
今回のカップリングの2曲は、Louisのときの2曲目3曲目みたいなオマケ感が薄くてよい。ちゃんと1曲になってる。Tresorは歌なしバージョンで聴くとメロディが優雅でとてもよいし、歌ありでもKAMIJOの本来の音域にあっているから気持ちよく聴ける。
追憶のモナムールは「最初のシングル候補だった」というだけあってまさに王道ド真ん中をいっております。覚えやすいメロディあり、イントロアウトロみたいないかにもなヴィジュ系部分もあり。間奏はピアノもコーラスもありでかなりてんこ盛り、歌詞は強く正しく美しく。ああなんて豪華。
こちらも、歌詞では「シャンゼリゼ」と明確にフランス色を押し出しているにも関わらず、やっぱり歌謡曲メロなところがすごくいい。今にもポルノグラフィティが歌い出しそうだもん。
ポルノグラフィティ 『サウダージ』("OPEN MUSIC CABINET"LIVE IN SAITAMA SUPER ARENA 2007 ) - YouTube
闇夜のライオン
既に発表されている次の活動としては、7/16にシングル「闇夜のライオン」発売、その後すぐの7/19には日本での正式初ワンマン@東京キネマ倶楽部です。
きっとその後、ツアー前にメジャーファーストアルバムが来ると思うので、今からとっても楽しみ!
KAMIJO 2ヶ月連続シングル・リリース第2弾「闇夜のライオン」(7/16発売)のトレーラー ...
ナタリーインタビュー記事
今回のシングルと、次作「闇夜のライオン」についてのナタリーのインタビュー記事がなかなか内容濃くてよいので、ファンの人は是非読んで下さい。
ナタリー - [Power Push] KAMIJO「Moulin Rouge」「闇夜のライオン」インタビュー (1/3)
それとラブソングを書く上で、あまりなよっとしていない、相手を失ってとても悲しいけれども強い主人公をすごく描きたかったんですよ。歌詞に「降るはずのない雨が頬を伝い落ちた」「降るはずのない雨に頬が濡れていた」とありますが、つまり、泣いたことを認めない。そこがうまく表現できたかなというのはありますね。Versailles時代もLAREINE時代も、切ない、苦しいといった、相手をずっと思う気持ちを表した楽曲は書いてきましたけど、今回はそれを包み隠せるような強さと言いますか、男性視点の切ない歌詞という自分の解釈で書いたんですよ。なかなか男性視点でこういうラブソングを書くのって難しいんですよね。主人公自身も魅力的でなければならないし、切ない気持ちも伝えなきゃならない。ただ泣きじゃくって、寂しいよ、切ないよというものは、僕が歌わなくてもいい。それに言いすぎたり伝えすぎたりしてしまうと、共感ではなくて同情を呼んでしまいますからね。ラブソングの歌詞にはギリギリのラインがあるんです。
Versailles後期はこの「ギリギリのライン」を完全に踏み外していたと私は思うので、ソロでは今度こそ踏みとどまってくれー!SUZERAIN的気高さ希望。お願いします
──さらに「運命」なる楽曲も収録されますが……これはファンにとっても意味深いですね。
KAMIJO これは「Symphony of The Vampire」との関連はなく、過去の楽曲のセルフカバーになるんです。とはいってもサビだけ使っていて、それ以外はリメイクしているんですね。今までにLAREINEでもVersaillesでも「運命」という楽曲はあったんですが、これはVersaillesの「God Palace -Method of Inheritance-」の第3楽章なんです。当時、あの歌詞を書いたときに誓った気持ちのように、今まさに自分はその道を歩くことができている。そんなことに気付いたときにちょっとうれしくなって、これはもう一度、あの曲を何かしらの形で生まれ変わらせてあげたいなと思ったんですね。運命ってね、信じるものでもなければ、従うものでもなくて、僕にとっては作るものだと思っているんですよ。
──KAMIJOさんの運命は決して平坦な道ではなかったと思いますけどね。
でも、1本道でしたね。
ゴッパレリメイク楽しみすぎる
ソロになってからのKAMIJOインタビューは読み応えあるものが多くて嬉しい。やりたいことが明確で、それに忠実なものづくりと動き方をしているので、インタビュー読んでるだけでもわくわくする。
2012年末でにVersaillesが実質解散して、2013年はヴィジュ系的に楽しみの少なかった一年だったけど、今年になっていよいよKAMIJOが本格的に活動を開始したので、ほんとに私は嬉しくってしょうがないです。ライヴが楽しみ!