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DIR EN GREY・ 「ARCHE」レビュー 後編

DIR EN GREYの最新アルバム「ARCHE」のレビュー後編。

レビューと言いながら懐古で終わった前編に引き続き、後編でも思い込みと思い入れだけで懐古にまみれたアルバム全曲レビューやります。

前編はこちら

DIR EN GREY・ 「ARCHE」レビュー 前編 - ポワゾン


1. Un deux

GAUZEツアーで4回聴いた、大地を蹴る曲。サビ頭は「大地を蹴り進め 遥かな夢で〜」みたいな歌詞だとばかり思っていたので、まさか数を数えているとは思わなかった。ほんとびっくりだよ。巨人が進撃するイメージ、もしくはメジャーデビュー直後のPierrotのイメージだったのに(大地蹴ったりハルカとか言うから)。15年前、GAUZEの頃まではドイツ語カウントがお好きだった京も、最近ではフランス語も使うんですね。

既にライヴで聴いたことがあったので、音源を聴いての第一印象らしい第一印象は特になし。ライヴで聴くよりまとまってるかんじはする。一曲通して、特に好きなところはない。もうライヴでやらなくてもいい。けどやるのであろう。

2. 咀嚼

初聞きですぐさまCを思い出した。Bメロの「じっさーい」が、サビの「そしゃーく」になってる。

サビ以外は特に。サビラストの、「三つの子供じゃないから」は日常生活における汎用性が高くてなかなかよい。リリース以来、相手をたしなめる際に、我が家でこのフレーズはよく使われる。

3. 鱗

この曲大好き!今、ライヴで一番聴いてみたいのがこの曲。ただし京の声のコンディションがかなりいいときに聴きたい。音源まんまで聴きたい。無理っぽいが。

やけにアーティスティックで、完成度かなり高いと思う。これがシングルにならないところがむしろすごいなあ。短い曲なのにとても濃密、それでいてちゃんとメロディアスでポップ。しかも魚にしてるけどモチーフは得意のセックスもので、ありきたりでふっつー!しかし、好きだ!

10年近くすっかり忘れていて、GAUZEツアーでアクロの丘を6回も聴いてやっと思い出したのだが、私は京が低音でゆっくりめに発する「たちてつとだぢづでど」「かきくけこがぎぐげご」の音がすごく好き(アクロでいうと、Aメロ「あの丘で」の「で」の抜き方がすんごい好き)。で、鱗の「あなた次第で」という決め台詞、これがもうばっちり。あな「た」し「だ」い「で」!とてもよい。

彼は普通の音程で歌うと舌ったらずっぽいというか結構まったり発声で、だからこそ最近は高音にすることで鋭い音にしているというのはあるんだろうけど、私が好きなのは彼の高音よりも低音もしくは普通の音での「だぢづでど」なのだ。同じ部分が好きな人いるだろうか。

あとこの曲はShinyaのドラムも好き。彼の、チャカチャカとせわしないドラム好きです。ライヴで観るのはもちろんだけど、音源聴いてるだけでも楽しい。

4. Phenomenon

この曲、VULGARとWitheringの間ってかんじがする。しかしなぜだかはよくわからない。ド直球和風なわけでもないのになぜか和風だからか?謎。

特に好きではない。ライヴで聴いたら、サビの開けるかんじなんかが綺麗なんだろうなーとは思うけど、それだけ。まあ、京の美し悲痛系はいいよね。

5. Cause of fickleness

この曲ちょう好き!この曲は絶っ対に生で聴かねばならない。鱗に続いてこの曲の存在も、ライヴに行くことにした理由のかなりの部分を占める。

このド直球さ、勢い、ノリ、これがまさにVULGARとWitheringの間の2004年のライヴの雰囲気。アルバムをPhenomenonとCause of ficklenessまで聴いて、ああこれはあの頃の雰囲気だ、ってはっきり思い出した。この手の曲、10年前から大好きなんだよー。

Aメロが始まる直前、0:35あたりからの溜めでの緊張と、その後の一瞬の爆発感が素晴らしい。テンション上がる!ライヴ行きたくなる。

その後も「ランランランラン誰の日?」というスーパー汎用性の高いフレーズがきたりして、ほんと、大好きこの曲。

私はいつも殿の歌詞をろくに読まないんだけど、この曲で「『しゅしゅしゅしゅらすこ〜』みたいに言ってるとこあるよね」と友人に言ったら「そこは『斜に構えたお前らの』と言っている」と返されて爆笑し、その後一度はちゃんと歌詞カードを見た。

6. 濤声

第一印象はBottom of the death valleyに近い、というのは、最初は「愛した」の部分を聴いて一発でBottom〜の「愛した物」を思い出したからだけど、曲全体の印象も近い。

ボーカルの調子がいいときにライヴで聴くと映えそうな気がするけど、音源ベースだとそんなに好きでもない。Phenomenon同様、映像演出で化けそうな雰囲気はある。

この曲も、VULGARとWitheringの間の雰囲気を思い出す。作曲者知らないけど、私が聴いていた頃の昔のToshiya曲っぽい。

7. 輪郭

GAUZEツアーで初めて聴いて、大好きになったのがこの曲。音源で聴いてもやっぱり好き!GAUZEツアーで聴いてて、ライヴで楽しいとか懐かしいとかじゃなくて純粋に曲が好きだと思ったのは、輪郭とLOTUS(Symphonic Ver.)が断トツ。ライヴで何度観ても、毎回すごくよかった。このアルバムの中でも、間違いなく一番好きなグループに入る。

最初っから最後の最後まで全部好き。歌詞も歌も歌い方もメロディも各パートも、割と全部好き。今のディルをろくに知らない私が言うのも変な話だけど、最近のディルらしいというか、ディルじゃなきゃできない、ディルのよさを感じることのできるわかりやすい曲だと思う。

ライヴGAUZEツアーのライヴレポでも何度も書いたけど、この曲の1回目のサビの後の間奏部分でのShinyaの、スティックを魔法の杖みたいに扱うとこがすごく好き。あれまた見たい。演出はスモーク少なめで是非お願いします、焚きすぎるとドラムが見にくい!

8. Chain repulsion

GAUZEツアーで2回だけ聴いて、初聴きの時点で好きで、2回目聴いてもやっぱ好きで、これもまたVULGARとWitheringの間の雰囲気を思い出した曲。Machiavellismとかあのへん。

2015年に、1999年にやったGAUZEツアーをもう一度やって、その場でよりによって2004年のあの頃を思い出すなんて、なんだかすごく不思議だった。時間感覚が崩れる。

イントロからしてド直球ロック!ってかんじ。Shinyaのドラムが!Dieのギターが!めっちゃロックだ。Aメロのドラムすんごい好き。

あー、これもまたライヴで聴きたいなー。あの、シンプルなスポットライト演出だけで聴きたい。映像とかいらない。ライヴで聴いたときは全然歌詞聞き取れなかったから今回初めて知ったけど、「大層な生き方ね 大道芸人なの?」はとってもよいですね。

歌詞は相変わらずで、このボーカルは他人に求めすぎ・期待しすぎで生きるの大変そうだなあと思うものの、こういう勢いとノリ重視の曲には合ってる。

VULGAR・Withering時代から、京が怒りの勢いだけで歌ってるような短い曲好きなんだよなー。10年経って歳とってるのに歌詞が根本的に変わってないの、ある意味すごい。そこが彼のよさなのであろう。

GAUZEツアーでは、京がやたらとノリノリだったのが印象的でしたね。彼が幸せになってしまうとディルのよさは失われてしまうのであろうが、それでもやっぱり楽しく歌って欲しい。

9. Midwife

好きではない。こういうのが嫌いな私からすると、未だにこっちにいるのかという残念さがある。

前半まったり聴いていると、途中からいきなりマゴッツ化するのでウケる。え、ちょっと待って、って言いたくなる。それでも短めだからまだ最後まで聴いていられるかんじ。

中盤以降は、今のディルが残というか新曲1をつくったらこうなるんだろうなーというかんじがする。ライヴで聴くと、もしかするとノリ一発で楽しめるかもだが、音源で聴いている分にははいはい早送り、となりがち。

10. 禍夜想

次のツアー名「THE UNSTOPPABLE LIFE」はここから来てるのね。珍しく歌詞がちゃんと聞き取れる曲。前がMidwifeなので尚更。

イントロはなんか最近のディルっぽくて好きじゃないけど、AメロBメロでまたもや一瞬VULGAR~Witheringの雰囲気になる。このアルバム、色んな曲で私があの頃の雰囲気をピンポイントで思い出すのは一体どこに起因するのか…未だにわからない。

サビの美しいメロディーと高音が印象的。こういうの、昔のディルにはできなかったから、いいなーとは思う。でもそれだけ。くわくわくわくわーーーとか言わず、綺麗に終わってくれたら好きなんだけどなー。

11. 懐春

こちらもサビが印象的で、歌詞とか曲名をなかなか覚えられない私には珍しく、かなり早い段階で曲名と曲が一致した。

夜想よりはシンプルに綺麗にまとまっているのでこっちの方が好き。懐春も、演出がぴったりで京の声の調子がいい日にライヴで聴くとかなりよさそう。ホールの方が映えそうだな。ドラムが一人でマーチングバンドやってるのが地味に気になる。生で観てみたい。

12. Behind a vacant image

特に印象に残らない。ところどころ泣きのギターが入るのと、途中で進撃の巨人化する(クワイヤ部分がある)のでそこだけはっとするが、他は特に。まあ悲痛系なのでライヴでいい日に聴ければまた印象違いそう。

ARCHE、全体としてはかなり好きなんだけど、それでも中盤だれる。Midwifeからここまで、どうしてもだれる。輪郭後、ここまで早送りしたくなる。

13. Sustain the untruth

GAUZEツアーで参加した6公演全てで演奏していたシングル曲。ライヴ初聴きでは全く好きではなかったけど、回数重ねるごとに、好きではないものの、観るのが楽しみになっていったという珍しい曲。

これは、ライヴで聴く方が断然いい!アレンジがどうこうとか歌がどうこうとかいうのではなくて、生で聴くとあんなにもはっきりと感じ取れる、最初の二拍で大きな波がフロア側に押し寄せてまた次の二拍でステージ側に引いていく、あの圧倒的な波のようなものが音源では全く感じられない。そのせいで、特にAメロと間奏部分はライヴのときとかなり印象が違う。これはびっくりした。またライヴであのうねりを感じたいなー。この曲は生じゃないと魅力半減。

GAUZEツアーでこの曲を観てるときは、「Toshiyaよ、そんなに大袈裟にベースを弾く必要があるのか…?」といつも思っていたけど、これ聴いちゃうとあの無駄に派手なベースの弾き方にも意味があるような気がしてくる。リズム隊命の曲なんだなーこれ。ライヴで聴いてるときには気がつかなかった。

14. 空谷の跫音

これもだれ曲。歌詞がちゃんと聞き取れる系。

別に好きでもなければ印象に残りもしないんだけど、こういう地味曲の方が歌詞が本質を突いているように思えるのが面白い。

15. The inferno

これはChild Preyを思い出す…!またもやVULGARあたりのライヴを思い出すノリ。これはWithering前っていうより、まんまVULGAR前後のツアーだな。なんかブリッツとか野音とかあのへん。

10年強前、Child Preyも音源では全っ然好きじゃなかったというか、なんでDragon Ash化してんのと思ってたけど、一年間のブランクを経て初めてブリッツで生で聴いてみたらやけに楽しくて印象が変わったので、これもライヴで聴くと楽しいかもしれない。ノリ知らないけど、ひたすら高速ヘドバンしたい。特に中盤の間奏部。

これもMidwife同様、あれこの人達まだこういうのやってんのか感があるにはあるけど、Midwifeよりわかりやすい勢いがあってシンプルな分こっちの方が好き。

16. Revelation of mankind

アルバムラストにしては、ほとんど印象に残らない。サビも覚えられない。すっかり聴き飛ばしてしまう。

ボーカルの歌い分け、ライヴではどうすんだろーってのが唯一気になる。

歌詞にはかなり救いがあるよね。このアルバム、ラストが前向きだし、プロモーションで押しまくってた「痛み」はほとんど感じられない。いつも通りというかんじ、いやーむしろ前向き。この曲に限らず、全体的にすごく救いのあるアルバムのように聴こえる。



こうやって振り返ってみると、やっぱ輪郭と鱗がすごく好き、そしてCause of ficklenessとChain repulsionをライヴで聴きたい。

別にそこまで好きじゃないわって曲もかなりの数あるんだけど、それでも好きな曲がこれだけ入ってて、フルで繰り返し聴けるディルのアルバムってほんっと久し振りだったのでとても嬉しい。奇跡かと思う。Withering以来、ほんとに好きだと言えるアルバム。こういうのなら私でも聴ける!凝りまくっててアーティスティックすぎるやつは聴けない!

ディルがこの路線をしばらく続けてくれたら、私も下手すると本格的に返り咲きそうなのだが、まあまずはライヴ観てみて、次の音源聴いてみて決めます。

ARCHE

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