「会田誠展 天才でごめんなさい」@森美術館

仕事帰りに行ってきました、会田誠展。
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以前の展覧会や、各種媒体で事前に見たことのある作品が多かったけど、それでも楽しめました。

一昨年、この展覧会の開催が発表されたのをツイッターで知って、覚えていたら行こうと思ってたけど、ネット内で二度ほど話題になったこともあり、この展覧会のことを色んなとこで見かけたお陰で、忘れることもなく会期中に行くことができた。行けてよかった!


以下内容バレを含みます


  • 切腹女子高生はもしかすると初見だったかも。あんなにキラキラしてる印象なかった
  • 灰色の山、やっと生で見れた。ジューサーミキサーとセットで見られてよかった。音声ガイドが先走りすぎてて困ったけど
  • 戦争画RETURNSの後がバカ部屋っていう構成いいな
  • 美しすぎるわろたにはウケた
  • ヴィトンが個人蔵だってとこにもウケた
  • 山椒魚も露骨でいいなあ。この人はこれくらい大きい作品の方が好きかも
  • 最後の作品の解説文にびっくりした
  • 最新作ではカラスと電信柱のやつが会田誠の王道でよかった。美少女シューティングはあんまり。共同制作の立体は元から興味がない
  • あぜ道は既に展示終了してました。でもこれ前に見たからいいや
  • 5万円スポンサー一覧のところに山本現代がいた


18禁部屋に関しては、会田誠自身が説明していた通り、「敢えて別部屋にしないと展示できない作品があるから」というのではなく、「こういう作品はコソコソ見る方が面白いから」っていうのがほんとのとこじゃないかなあと思う。Girls Don't Cryもわざわざこの部屋に入ってたけど、これいつも他の展覧会では普っ通ーに展示されてるもんなあ。

個人的には犬シリーズよりもミュータント花子の方が物議醸しそうと思ってしまったけど、まあ森美術館公式サイトに載ってないし(今は犬シリーズの画像も削除されたけど)、単に叩きにくいよね。知名度ないしね。

ミュータント花子は、自称「アメリカに侵された子供」である村上龍アメリカ論を最近よく読んでいる関係で、くっだんなーいと笑いながらも、より楽しめました。


そうだ、今回の音声ガイドはあんまりよくなかったです。無料だからまあしょうがないのかなー。音声ガイドにしろ、作品説明にしろ、会田誠の真面目さが前面に出すぎちゃってるかんじがした。

この人自身に作品を語らせてはだめだよね。この人は、「何も考えないでテキトーに作ったらなんだか注目されちゃいました、だって私天才なんですもん」っていうスタンスを無理にでも貫くくらいの方が、日本国内ではよい気がする。世界の現代アート界では、明瞭に背景と文脈を説明できる人の方がよいのは明らかなんだけど。

こないだのニコ生での山口晃との絡みが非常によかったので、いっそこの音声ガイドも山口屋さんに頼んだ方がよかったのではないか。たぶん、山口晃が喋ったら、500円出してもよいくらいの内容になる。会田誠の対外的なキャラを崩さないようにしつつ、作品のコンテクストをわかりやすく説明する、っていう芸が、この人にならできる。