Versailles・Tour 2012 "Chateau de Versailles" FINAL@NHKホール

 私が2008年から4年半追っかけた、大好きなバンドVersaillesの活動休止前ラストライヴ。


 なんと平日、しかも開演が18時台、ということで、この日に顧客との打ち合わせが丸一日入ってしまいどうしても休みを取れなかった私は、夕方から比喩ではなくまじで吐きそうになるくらい焦ったが、結果として数10分の余裕をもって会場に着いた。よかった、場所が渋谷で…!

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 NHKホールは、三年前にMUSIC JAPANの公録(ネオヴィジュアル系の宴)で来て以来。その前にもディルの公録で何度か来たけど、ワンマンライヴ見にちゃんと来たのは2001年1月のディル2days以来だと思う。MACABREツアーの振替公演。あの日も寒かった。

 この日も、最早すっかり私のVersaillesライヴの相方となったN氏と。二人とも二階席。チケットは、FC先行とゲッチケ先行で別々に一枚ずつ取ったんだけど(プレミアムは落ちた)、まさかまさかで席が激近。KAMIJO好きな私がセンター寄りの席で見ることにしたんだけど、ステージから目線そらしてちょっと右向くと、すぐそこがN氏の席。こんなことあるのねー。
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 さて、正真正銘ラストライヴのセットリスト。

Prelude
Aristocrat's Symphony
ASCENDEAD MASTER
MASQUERADE

Rhapsody of the Darkness
Edge of the World
After Cloudia
Love will be born again (KAMIJO solo ver.)
Holy Grail ~amoroso~
DESTINY -The Lovers-
Judicial Noir
zombie
Brave
Truth
Created Beauty
ROSE
The Red Carpet Day


Shout & Bites
Phlia


Sympathia
The Revenant Choir

 セトリはかなり納得のいくものでした。ラストとはいえ時間には限りがあるし、こんなにも納得いくセトリでやってくれるとは思っていなくて、ほんとうに嬉しかった。今思えば、先週の鹿鳴館の二公演は、ラストライヴのセトリから落ちたものを拾ってやってくれてたんだねー。鹿鳴二公演とNHKホール、全部見て、それでやっと完璧なラストセットリスト。ラスト三公演で、必要曲をできうる限りのかなりの高精度で網羅してくれていて、ちゃんとバンドの集大成的セトリになってる。両日共に仕事があったにも関わらず、全部見られた私は実に幸運だった。

 KAMIJOは絶好調ではないがまあまあで、「これはいかん…!どうしよう!!」というほどではなかったし、一部では渾身の歌声を披露してくれた。楽器隊はいつも通り安定していて、ステージ進行も特に大きなトラブルもなく淡々と進んだ。途中、KAMIJOの変な力みすぎ・空気読めないコメントや、他メンバーからのコメントがなければ、これがほんとのラストライヴだなんて思えないくらい、あっさりしたライヴだった。

 いつものように、ツアーファイナルの渋公、ってかんじがしたよ。このバンドでの長所でもあり短所でもある、「よくも悪くもいつも予定調和で安定している」ってのが全面に出ていて、ラストライヴな気はしなかった。

 そんな今日のライヴメモ。史上最長レベルで、めーーーっちゃ長い。



 最後のホールライヴ、とはいえセットは簡素なもの。セットはいつも通りドラムセットの後ろにバルコニーがあって、上手と下手から階段で登るタイプ。バルコニーには宮殿風を狙ったと思われる柱が6本立っていたが、その柱に巻きつけられた作り物の蔦が安っぽすぎて泣けた。しかも正確には巻きつけられてもおらず、前面でうねうね往復してるだけだし。MASQUERADEのPVでの、謎のビニールシート巻きつき柱を思わせるむなしさである。どんだけお金ないの。

 とはいえ演出効果はここ数回のホールライヴよりはやや派手だったかな。火とか爆竹とか。最近は、「ああ、ほんっとーーーに、お金ないのね…」と、見ていて悲しくなってしまうような地味なライヴが多かったので、最後はちょっと持ち直してよかった。


 一曲目はもちろんPrelude。メンバーが一人ずつバルコニーの裏から現れ、いそいそと階段を降りて一階へ。MASASHIは他のメンバー同様、普通に出てきてスタスタ歩いていた。彼はこのライヴ中は一度も座らず頑張ってました。後が心配だが。私は、かなーり遠いと思っていた自分の席からでも意外にステージとメンバーがよく見えて喜んだ。

 そしてドキドキワクワクの勝負の二曲目。Preludeのラストから心拍数マックスになりつつ注視していると…なんとアリスト!!!アリスト来た!まじ嬉しい。この時点で、もしや今日のセトリには期待してよいのではないかと思い始める。あああー、ほんと、開演間に合ってよかった。ホールでのアリスト、しょっぱなのアリスト、好きすぎて震える、でもこれで最後。アリストは、私が初めてこのバンドを知った後、検索で公式サイトに行ったときにBGMで勝手に流れてきて、それを聴いて「これは大変なバンドに出会った」と大感動して即ハマるきっかけになった曲。この曲がなかったら、私はこのバンドにここまでのめり込んでいなかったかもしれない。それくらい思い入れの深い曲。胸中複雑ながらも、最後に聴くことができて、狂喜乱舞している間にあっという間に終了。今でも、アリストはVersaillesの数少ない代表曲の一つだと私は思っているよ。

 「革命がどーの」という短い煽りに続いてはアセンデッド。二階席はサビで踊ってる人まばらだったけど、私は全力で踊った。サビの謎なフリのせいでなんだか冴えない曲になりつつあるが、やっぱこの曲は素晴らしい。このバンド、メジャー一発目のデビューシングルだけは完璧だった。この日のKAMIJO、緊張しているのかなんなのか序盤は飛ばしすぎ、そして終始歌詞も飛ばしすぎだった。リズム無視も歌詞忘れも、数年前の彼はよくやってて、でも最近はあんまりなかったので珍しいなあと思いながら見てた。まあ彼らしいといえば彼らしいし、これが彼の実力なんだろう。

 で、次にKAMIJOが「The world is MASQUERADE...」と言うので、えええもしや!と思ったら、三曲目は本当にMASQUERADEだった。ラストに聴けるかどうか微妙なラインだと思ってたので、これまた嬉しくって!全力で楽しんだ。この曲でのKAMIJOの、ムキになったように力みすぎてる拳を見るのもこれで最後。やっぱ私KAMIJOの作るこういうベタな代表曲大っ好きだなー。この路線を続けてくれるのであれば今後も大喜びでKAMIJOを追っかけるのだが、なんせ次はメンバーが問題だよね。うーん。


 「耽美エロチシズムの世界へようこそ」的な紹介の後、妖。ああこっからラストツアーセトリかと察した私はしばし休憩タイム。最初三曲があまりによかったので、私まじで開演に間に合ってよかったーーってそればっか考えてた。ラストライヴでアリストやマスカレード聴き逃したら、後からどんなに泣いても泣きたりない。あ、妖はホールではそれなりに映えてました、KAMIJOがあんまうまくなかったのは惜しかったけど。

 続いてRhapsody。一応シングルではあるけど、最後まであまり思い入れを持てない曲であった。ライヴで聴くとそれなりに迫力あっていいんだけどね。今回は、Holy Grailファイナルの初披露時のように、身内のダンサー達が出てきて中途半端な舞をすることもなかったので、あのときよりは落ち着いた心持ちで聴けた。

 次。「跳べ跳べ!」「手を高く挙げて跳べ跳べ!」というKAMIJOの執拗な煽りに、おそらく客の半数程度はLIBIDOを期待したはずだが、タイトルコールはまさかの「Edge of the…」!ズコーですよ。びっくりした。何そのフェイント、って思って、Worldって叫ぶのも忘れた。これは…と思ってふと右を向くと、案の定N氏がこちらを向いて睨んでいた(彼はなぜかLIBIDOのカオス感が異常に好きで、こないだの鹿鳴第二部で聴けなかったのを悔しがっていた)。ていうか、私を睨むな。かみじょを睨め。仕方がないので私が数メートル先にいるN氏を跳べ跳べとフリで煽るハメに。なんなんだ。その間、KAMIJOはイントロでもひたすら跳べ跳べ言ってましたが、冬ツアー見てない人はこのノリ戸惑ったと思う。だって曲に合ってないし。この曲、私結構好きなんだけど、KAMIJOが要求するフリというかノリというかと、曲のアンバランスさには最後までついていけなかった。アセンデッドみたいなもん。この曲、イントロ〜Aメロの珍し感と、まんま歌謡曲のサビとのギャップがいいと思うんだけど、終始続くジャンプと窓拭き手フリのお陰で、もうなにがなんだかだよ。惜しい。まあ今後も音源で楽しむわ。


 さて、Versaillesのセトリは、大抵の場合三曲ごとに組まれてる。ここまで三曲続いてラストアルバム曲が並んだので、さあ次は何が来るかなーと思ってたら、なんと、ここでAfter Cloudiaきたー!この日、早くも三回目のまさかである。嬉しくって、全力でタイトルコール叫んだけど、二階席だからなのか、周りでCloudia叫んでる人ほぼいなかった。しかしながらこの曲はほんとうにホールに合うね。ホールでは、神々しいほどに眩しいものが見られる。まだJasmineさんがいた頃の、雷雨の中のお台場合衆国や、インディーズ時の渋公ライヴでのこの曲を思い出した。この曲がほんとうに輝いていたのはバンドがひたすらに前だけを向いていたあの頃で、今はあの頃への懐かしさと回顧願望だけで持っているのかもしれないなあ。とはいえ今聴いても好きな曲であることには変わりはないけどね。この曲はVersaillesの曲にしては珍しく、歌詞が好きなんだよね。Jasmineさん一周忌の名古屋ワンマンでのこの曲には散々泣かされたし、複雑な心境にもなったけど、それでもやっぱり歌詞が好き。

 KAMIJO以外のメンバーが掃けて、予想通りのかみじょソロ。今回も日本語版、かつ、楽器演奏なしの完全ソロでした。「このバンドを通して、永遠とは何かをずっと考え続けてきました。そして、やっと答えを見つけた気がします。永遠とは、何度でも生まれ変わる愛の形です」とかなんとか、今年の春ツアーからよく言ってるMCからこの曲に入ったが、正直意味わからん。あんたTruthで、永遠なんてあるわけないとわかっていたとバラしてしまったでないの。ダブルスタンダード。でももういいですどちらにせよ最後だから。毎度のことだけど、この曲は彼の音域に合ってるので、今日はあんまり調子よくないなーと思ってた歌もここでどうにか持ち直し始めたね。そういう意味で、このソロを中盤に持ってくるのはよいと思う。

 その後も予想通りのamoroso。楽器隊だけのインスト結構好きなので、最後に聴けてよかったかな。古くはSILENT、Desertも好きだった。でもいつもKAMIJOばっか見ている私は、インストとなるとどこを見たらよいのかわからなくなる。昔はセンターにいても、SILENTではJasmineさんが来てくれててよかったんだけどね。


 ソロとインストが終わって、いよいよ本編後半。何で始まるかなーと思ったら、DESTINYだった!私この曲の存在をほとんど忘れてたので、勝手にちょっとびっくり。ラストツアーでも鹿鳴でも、一度も聴いてないしね。この曲はあんまり、というかかなり好きではないけど、シングルの割にはライヴで聴いた回数少なかった気がする。ただまあ今回二階席だったので、上から見ていたら客のローズライトがすっごく綺麗だった。ここまで三曲連続でローズライト曲だったからね。私はあんまりローズライト振らない派なので見てるだけだったけど、最後のホールでこれだけ沢山ローズライト曲をやってくれたのは思い出になった。そういえば、こないだの鹿鳴で、N氏はちょう幸運なことにPreludeで某メンバーが投げたローズライトをソロキャッチ(!!)したのに、あの第二部では一曲もローズライトを使う曲をやらなかったので、せっかくもらったのに使えなかったと嘆いていたんだった。今日は沢山振れてよかったねN氏!

 DESTINYが変化球すぎて、次のセトリが読めなくなったが、その後にきたのがJudicial。本編前半以外でこの曲聴くの、すごく久し振りな気がする。かつてはAntique、Rosenが担ってた、本編頭での場温め曲の立ち位置を確立してたからなあ。でもこの曲は後半にきてもやっぱ好きだわ。90年代後半のビズアル系の香りがするんだよねー。こういう曲を2010年代に楽しめるあたり、メンバーが30代半ばのバンドを好きでいてよかったと思う。
 
 「両手を上げろ」的ないつもの煽りに引き続いてはzombie。私、何でこの曲がここまで人気あるのか、NOBLE時からよくわかんなかったんだけど、今日最後に聴いても結局よくわからなかった。まあPRINCE/PRINCESSにしろ、Versaillesのファンと私の趣味は結構ズレているようなのでいいんですけど。そういえば、初めてVersaillesのライヴ映像を見たときには、「え、なんでzombieで両手上に上げて皆で手叩いてんの」「え、レッカペでも頭上で手叩くの」と、曲調と客のノリとのあまりのアンバランスさにびっくりしたものだが、朱に交わればなんちゃらかんちゃらで、私もライヴに行き始めたらすぐあのノリに慣れた。Edgeとかも、あと数回ライヴで聴いてりゃ、何の違和感もなく跳びはねまくり、手フリするようになってたんだろうな。


 zombieの最後で、気がついたらKAMIJOの足元に何やら布切れが落ちており、おてるがそれを拾ってKAMIJOに耳打ちした後、下手幕間に消えて行った。私にはタオルかなんかに見えたんだけど、N氏曰く、かみじょがおてるのマントかなんかを踏んづけて破ったらしいですよ。私、KAMIJOばっか見てるはずなんだけど、どこ見てたんだ…おてる不在の間、時間潰しにやたら上手を煽るかみじょー。私とN氏は上手寄りにいたので喜ぶ。この間割と客席も明るくなってた気がするんだけど、ふと右見たらN氏が結構ノってあげててウケた。

 おてるが帰ってきた後、「お帰りTERU!待ってたよ。…じゃあ、次はTERUの最新スピードメタルチューンだ!」みたいなことを言って、Brave。ラストツアー三か所で見てきたけど、今日が一番よかった、なんというか、ホールの眩しい照明と広いステージの効果で、この曲のアイタタさや空回り感が若干軽減される。戦隊もの風というか、戦隊ものをパロったももクロ風というか、この凄まじいまでのうさんくささも、NHKホールでやると場の効果で正当化されるようなところがある。今日は私が見たツアー三公演よりちゃんと盛り上がってて、この手の曲が盛り上がらないと実に悲惨なことになるので、というか私はちょうど三年前に、ここNHKホールで、このバンドのそれを経験したので(MUSIC JAPANでのノクターン)、今日はあの日のようにこっちがオロオロせずに済んだのでよかった。しかしやっぱりこの曲は赤照明なんだねー。まあBraveに限らず、おてるのピロピロ曲はレッカペ、ノクターンFloweryと、いつも赤いイメージ。

 Braveがきたし、本編後半だし、次はTruthくるなと皆がわかったと思いますが、やっぱり次はTruth。しかしその前に、KAMIJOお得意の、お涙頂戴のつもりが失笑しか頂戴できない、いつもの調子のMCが!!「今日は活動休止前のラストライヴということで、皆色んな気持ちを持ってここに来てくれていると思います。…でも、今日だけは、泣いていいと思います。泣いて、泣いて、泣いて…(途中失念)でも、今日最後には、僕達が必ず皆を笑顔にしてみせます!!」なんじゃそれ!私は「泣いていいと思います」であまりにウケすぎて、途中なんて言ってたか、ニュアンス含め全部忘れた。思わず手叩いて笑ってしまったが、隣のカップルも、右のN氏も全く同じようにしてウケていた。いやー、Truthの歌詞「泣きながら笑うあなた」につなげたかったんだってことはわかるよ、わかるけど、あまりに下手すぎるよKAMIJO。しかも思いますってなに。許可制なのになんでそこ控えめで言い切れないの。謎。謎すぎてウケすぎて、ラストライヴ後、我が家およびN氏との会話においての流行語は「今日だけは、◯◯していいと思います。(真顔)」だからね。色んなところで使えるよ。くだらない内容に使うとよりかみじょらしくてよいです。「今日だけは、あん肝を二回頼んでいいと思います」とか。あーあ。MCのお陰で曲がどうだったかあんま覚えてない、後で映像ででも見ることにしよう。この曲はKAMIJOの恨みつらみっていうか言い訳っていうか怨念っていうかしか感じないので好きではありません。PVも下品極まりないし。こういうのを最後の最後で出してこないで欲しい。ドロドロは裏でやって!

 「皆さんに、この花束を贈ります」とかなんとか言って始まったCreated Beauty。そういえばこの曲の存在も忘れていた。私、この曲生で初聴きだったんだけど、うーん、イマイチだったかな。たしかに曲は劇的だし、ラストライヴの後半にふさわしいのかもだけど、とはいえForeverとかFaithの方が、よりラストっぽくはある。最後に時間がなくなってやっつけで作った(としか思えない)Versaillesより、Holy Grailの方が、よりラストアルバムっぽいんだよねー。Holy Grailを初めて聴いたときに抱いたその印象は、本当のラストアルバムVersaillesが出た後でも変わらなかった。KAMIJOは相当魂込めて歌ってる感じがしたけど、私のテンションはそこまでついていけませんでした。あと、これ系のHIZAKI曲にはよくあることだけど、高音がきつい。出てない。苦しそう。


 いつもよりも曲数多いし、Createdもきたし、さてこれで本編も終了かな、と思いきや、メンバーが捌けない。ステージの照明が暗くなって、あれなんだろう、と思ったら、ここでDescendant of the Roseのサウンドトラックが!まさかYUKIのドラムソロ??と思ったが、さすがにそれはなく、サウンドトラックをBGMに、突然セリフを喋り出すKAMIJO。「我らは、薔薇の末裔。常闇のなんちゃら〜孤独と共になんちゃら〜」と続く。おお、こういう謎演出、久し振りじゃん!?そういや最初数回の渋公のときはこういう演出あったよね、途中でセリフ喋ったり、スクリーンに映像映したり。私はこういう、意味不明だけど無駄に迫力(だけ)があるというビズアル系の演出が好きなので、久々におおおお!ってテンション上がった。何より、最後の最後で薔薇の末裔設定を持ってきてくれたのは嬉しかったな。活動後半では、シングルでもこの基本設定をぶっ飛ばしつつあったからね。鹿鳴で、二回もオーケストラやってくれたのと同じ意味の嬉しさがあった。とはいえこの日、KAMIJOはいつになく歌詞を飛ばしまくりだったので、このセリフも噛んだり飛ばしたりするのではないかと私は内心かなりヒヤヒヤだったが、無事に喋り上げて、最後に急ぎ足でメンバーコールして、サウンドトラック終了。

 次の展開が全く読めなくなったところで、いきなり始まったのがROSE。そういやバルコニー後ろにでかでかと薔薇(ROSEのジャケ写の薔薇)がー。ここでROSEかあ。この曲も、歌詞の端々にKAMIJOの怨念を感じはするが、それでも割と好きな曲。初めて聴いて、あれこの曲なんでこんなラストシングルっぽいの、と思っていたら、その数日後に本当に解散発表されてしまった。まあ、この曲がラストシングルでよかったんじゃないかなあ。薔薇の末裔設定からはズレてるけど、ラストらしいよ。PVも、Truthなんかじゃなくこの曲で作ってくれたらよかったのにな。ROSE、ラストツアーで聴いたときは、毎回KAMIJOの高音がしんどそうに聴こえたんだけど、今日はそこまで気にならなかった。しかし、こういう明るくて綺麗なメロをホールで聴けるのはいいねー、贅沢だわ。

 でもって次にレッカペ。レッカペが本編締めでしたね。二階席で聴くレッカペは、ハコで聴くよりはやっぱりテンションが上がりにくかったものの、それでもちゃんと楽しかった。二階はどうしても一階席よりはノリが悪いなーと思っていたけど、レッカペともなるときっちり盛り上がってて、周りも皆楽しそうにしていたしね。レッカペは私がライヴを見始めた頃からずっと定番の盛り上げ曲で、ROSEで再録されたとはいえ大幅改変はなかったし、最後までずっと楽しかったよ。思い出いっぱい。逆ダイ部、一回目、二回目下手、三回目上手、ときたところくらいで、ああもうこの曲聴くのも最後なんだと思って一瞬めっちゃ悲しい気持ちになったんだけど、四回目のセンターでKAMIJOがいつものようにハイトーンボイスでシャウトしてるの見たら、なんだか満足してきてもういいかなって思えた。最後の最後まで散々頭振ったし。

 レッカペ後、少しだけ客に構って、メンバー退散、本編終了。長い本編だった。ラストとはいえ、こんなにも曲数多くやってくれるとは思ってなかったので、いつもの感覚で(私はいつも、ライヴを見ながら無意識的に曲数をカウントしている)もう終わる、もう終わると何度も思って、でも思うたびに、まだ続けて次の曲を演奏してくれることに心から感謝して、の繰り返しだった。だって、ここまででもう18曲もやってんだよ!普段ならアンコール含めてもこんなやってないよね。



 でもってアンコール一回目。結構早く出てきた印象。このバンドはアンコールで出てくるの早いし、毎回きっちりアンコールやって帰る(本編終了時に、もう残りのセトリがほとんど読めるともいう)。登場早々、「お前達、Versaillesに飢えてるな」だか「「お前達、噛み付きたりないみたいだな」だかみたいなことを言うもんで、え、もしや…、と思ったら「噛み付いてこい!」(たしか)。きたーーーー!Shoutきたー!アンコール一回目で来なかったらその後はもう聴けないことは明白だったが、ほんとに聴けて嬉しい!今日のまさか四回目(アリスト、マスカレード、アフター、でシャウト)。調べてみると、私がShout聴いたのは、なんと2011年1月のブリッツ以来!二年も聴いてなかったか。久々に聴いたけどやっぱいいー。Lyrical曲は、美の暴力という謎のコンセプトに忠実で、実にうまく作られてる。激しいのに優雅。そういや今日は「鎖骨を差し出せ!」はなかったね。

 一回目のアンコールのこのタイミングだったか、二回目のアンコールのSympathiaの後だったか、いまいち覚えてないんだけど、たしかこのへんで、最後だからとメンバー一人一人からのコメントタイムがあった。

YUKI: 無難あっさりコメント。すごくいい経験ができて感謝してます的な
MASASHI: 無難あっさりコメント。サポートから入ったけど、皆暖かく迎え入れてくれて感謝してます的な
TERU: 結成時から、毎日Versaillesのことだけを考えて過ごしてきて、夢の様な時間を過ごせた。今日のこのステージもその夢の一部です。
HIZAKI: ワールドツアーやラストアルバムなど、このバンドでやりたいことは全てやれた。またもし集まることがあれば、そのときは応援して欲しい。
KAMIJO: 「(Versaillesというバンドの今後について)待っていてくれとは言いません。でも、信じていて下さい」

 皆、素直だな。YUKIとMASASHIには、バンドの今後に関する発言権がないため現状を受け入れる以外の選択肢がなく、バンドが好きだったおてるはまだ未練たらたらで、HIZAKIはさっさと見切りつけて次やりたがってて、KAMIJOもそうなんだろうけど一応客のこと考えて意味深っぽい発言をせざるを得ない、という背景がありありと浮かんでくる。私は、YUKIの話し始めで、いつもとは彼の声のトーンがあまりに違うのを聞いて緊張し、おてるの正直なコメントを聞いてちょっと泣きそうになった。その後、現実だけを見ているフロントメンバー二人のコメントのお陰で現実に戻ったけど。ちなみにKAMIJOのこの発言は、我が家およびN氏との間で、この日以降、第二の流行語となった(第一は、「今日だけは、泣いていいと思います」)。

 続いてはPhlia。私、この曲の煽りがどうして「貫いていこうぜ」的なコメントになるのか未だによくわからないのだが、まあとにかくPhilia。アンコールでよく来る曲なので、驚きはなし。リリースがちょうど震災後で、プロモーションもうやむやになっちゃった3rdシングルだけど、メジャー後の代表曲にしては珍しく好きです。歌詞の一人苦悩世界にはついていけないけど、単純にライヴで聴いてると曲調が楽しい。今日は、この曲のサビでのKAMIJOの歌がすっごくよくって、最後になんだか感動したー。色々なものを込めて歌えるようになったよね、私が見始めた四年半前からだけを見ても、彼の歌はほんとに成長した。今日も絶好調ではなかったにせよ、以前のように、え、これDVD化して大丈夫なの、歌部分全部録音し直すのめんどいでしょ、って思うことはあんまりなくなった。



 メンバーが捌けるも、どう考えてもまだ二曲は残っているので、皆まったりVersaillesコール。二回目のアンコールも割とあっさりで、かなり早く下手幕間から出てきたメンバーの手にはローズライト。ああ、もう終わりかあ、二曲だけか、ってここで悟った。たしかここで「Versaillesのライヴでしか見られない、貴重な景色です。目に焼き付けてお帰り下さい!」みたいなことを言ったんだけど、ここで右のN氏が一人で大爆笑(客に夢を見せる場で、まだ時間内なのに「お帰り下さい」はいくらなんでもなしだろ、ということらしい)。「お帰り下さい!(笑顔)」は、その後N氏との間で流行語その3となった。KAMIJOはねー、前にも、ライヴ途中で「夢をありがとう、皆さんに現実をお返しします!」とか満面の笑みで言っちゃったりしてたし(まだ返さなくていいんだよ)、ベテランなのにそのへん惜しいよね。N氏「俺は、ああいう失言を繰り返すタイプのホストは自分の店では絶対に雇わない」たしかに…。まあ、曲前のMCはアレだったが、Sympathia自体はとても美しくてよかった。一時期やってたロングバージョンではなく通常バージョンで、いつぞやのように頭上からハートが降ってくるわけでもなく、あっさり終わってしまったけれど、沢山のローズライトが実に綺麗で、曲も歌もギターメロも綺麗で。ラストライヴで私が泣くならこの曲しかないなと思っていたけど、結局涙は出ませんでした。あっさり終わってしまったね。

 そしてラストはやっぱりレベナント。ほんとに最後の最後だから悔いのないように楽しもうと思って、全力で頭振って、全力で手バンして、全力で手扇子してたら、ほんっと、あっという間に終わってしまった。今まで何十回と行ったVersaillesのライヴ、そのほとんどの回で幾度となく聴いてきたレベナントだけど、今日が一番短く感じられたな。二階席だったので銀テープ(私これ異常に大好きなんだよね…)をゲットできなかったのは残念だったけど、他に悔いはなし。いつものようにヤンキー歩きで階段登って、バルコニーのセンターでドレスの裾に足引っ掛けて危うく転びそうになりながらも、ドヤ顔ソロをキメてくれるHIZAKIも、めっちゃいい顔で気持ちよさそうにサビを歌ってるKAMIJOも、曲の最後で気づいたらセンターに四人が集まってる様も、これで見納め。曲の最後、KAMIJOがマイクなしの地声で「ありがとうございました!!」って言ってたような気がする。



 レベナント後は、予想していたよりあっさりだった。あっさりというか、いつも通り、というか。メンバーコールやって、ちょっとお戯れタイムがあった後に、メンバー一人一人が短いコメントをして、皆でジャンプして、でもう一回お戯れタイムがあって、それで終了。おてるが下手からJasmineさんの5弦ベース持ってきて客に掲げたりもしてたね。最後、捌ける前にKAMIJOが「また会いましょう」って言って、おてるは最後の最後まで一人でステージに残って、下手際で長々と頭下げて、そして全員いなくなった。

 なんかねー、あっさりしていて、全然終わった気がしなかった。ラストライヴじゃなくて、ただのツアーファイナルなんじゃないか?って錯覚しちゃうくらい。いつものファイナルの渋公ライヴを見に来たようなかんじがしてね。ライヴ中のMCはそれなりにラストっぽかったけど、KAMIJOは最後の最後まで客を感動させるような発言はできない人で、特に大感動シーンもなかったしなあ。むしろ「おいおい」なMCの方が多かった。五年半やって、メジャーデビューまでしたバンドのラストでこれとなると、この人のステージ上での実力はこのくらいなんだねえ。


 まあKAMIJOやHIZAKIのコメントは、再結成をにおわすような部分もあったけど、私は今回の「活動休止」というのは名ばかりで、実質上の解散だと思っているので、今後もし再結成したとしても、次の活動の資金稼ぎのための期間限定復活にすぎないと思ってる。だからこのライヴがほんとうにラストなつもりで行ったし、そのラストライヴで感動はしなかったとはいえ、かーなり納得のいく大満足なセトリで、特に大きな不満点もなく楽しませてもらえたのは嬉しかったな。鹿鳴での二回のライヴと合わせて、このバンドの集大成を見せてもらえたと思う。


 ほとんど関東のワンマンだけしか行ってないけど、それでも一応Versaillesを追っかけ続けてきた私の四年半はこうしてあっさり終わりました。最後の最後までつっこみどころやマネジメントの不備は多すぎたけど、沢山のいい思い出や、新たな出会いを与えてくれたこのバンドには感謝している。院時代や社会人一年目、家がごたごたしまくってて鬱ってたときも、Versaillesのライヴや音源を励みに毎日過ごせていたもんね。ちょう大袈裟に言えば、今の私があるのは、ディルから離れた後に偶然出会ったVersaillesのお陰とも言える。

 私はたまたま、活動休止発表前の春ツアーは全通してたし、ラストツアーは遠征して地方三か所行けたし、最後の鹿鳴2daysも、ラストライヴもフルで見れたので、これまでのVersailles追っかけ活動において、未練は一つたりともありません。


 この先、KAMIJOが何やるのか知らないけど、彼のよさをこれ以上に引き出すことのできるメンバー構成が存在するとは現段階では到底思えない、それくらい、素晴らしいバンドだったと思います。


 ありがとうVersailles。大好きでした。

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 ちなみにライヴ後、N氏と二人で勝手に打ち上げをして、悲しい気分を払拭すべくワインを煽ったら、いつになく酔っ払って大変だった。翌日も仕事だったんだけどね…