石橋義正 「ミロクローゼ」@渋谷シネクイント

 遂に日本で公開になった「ミロクローゼ」、早速見てきました。
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 ちょうよかった!!!やっぱり私、石橋義正の映像が大・大・大好きだ。


ミロクローゼ公式サイト


 16歳のときに、珍しくつけていたテレビで数話目の放送を偶然見て、「これは!!!」と感銘を受け、翌週から最終回まで、全話を録画した番組が「バミリオンプレジャーナイト」。テレビも映画も、映像ものが比較的苦手な私が、複数回に渡って自分で録画したテレビ番組というのは、人生後にも先にもこの番組だけ。

バミリオンプレジャーナイト

 日本のテレビ番組のものとは思えない、奇抜で凝りすぎでハイセンスな衣装とヘアメイク、まるで映画のような作り込まれた映像、無名だけれど美しい女性達、なのに内容はただのエログロナンセンスで、ひたすらシュールでブラックでくだらないギャグをやってるだけ、というこの番組に、私は大いにハマった。

 地上波初放映当時はネットで調べても公式サイト以外ほとんど情報が出てこなくって、出演者のどの人がなんていう人なのかもわからなかった。だから私は録画したビデオを繰り返し繰り返し再生し、エンディングをコマ送りして、最後に一瞬だけテロップで流れる女優さんの名前と、その回の出演者の顔を確認するという作業を毎週やり続けて、どの出演者がなんという名前なのかを一人一人パズル方式で一致させていた。それくらい夢中だった。

 出演者の中では片桐華子(元ASAYAN河村隆一プロデュースのセイアリトルプレイヤーメンバー)のぶっ飛び度合が好きだったなあ。RIOさんのゴスメイクもすごく綺麗でねえ。今テレビで有名になった人だと、アンミカさんがレギュラーメンバーだった。


 あれから、あっという間に12年。

 去年あたりから、石橋監督の最新作が他国の映画祭に出品されているとの情報はあって、特報の映像もネットに出てはいたけど、やっとできた公式サイトはなかなか更新されず、途中で事件もあったりしたので、もしやこのまま公開延期なのか…と思っていたところ、一年以上経ったこの秋にようやく公開になった。

 それがミロクローゼ。

 劇場公開っていうから、少しは一般ウケするようになってんだろうなーと思って見に行ったんだけど、相変わらずの暴走っぷりで驚いた。相変わらずのくだらなさ、相変わらずの脈絡のなさ。なんか、「ディルがメジャーデビュー?どうせJEALOUSとか-I'll-系のポップ曲でデビューするんでしょ」と思ってたら、まさかの新曲1を含むシングル三枚同時リリースでデビューしてるよ、みたいな、あるいは「なにディルがMステ出んの?ゆらめきかー」と思ってたらまさかの残やっちゃってるよこの人達は、みたいな、いい意味での予想裏切りがあってすっごく嬉しかった。さすが石橋さんです。


 バミリオンのとき同様、映画通の人なら事前情報なしでも気づくのであろうネタやオマージュがそこかしこに散りばめられてるので、それを後から調べるのも面白いと思うし、一人で三役やってるように見えない山田孝之の演技力に驚くのもいいと思うけど、まあそんなのも映画の本筋も、私にとっては実はどうでもよくって。

 私好みの女性を映画館の大画面でたーくさん拝めたことと、石橋監督が10年経っても変わらず我が道と我がセンスを貫き通しているということを知れただけで、もう十分でした。だって、あの石橋義正の映像世界の中に、岩佐真悠子やマイコ、原田美枝子までもがいるんだよ!しかも、それを渋谷の映画館の大スクリーンで見られるんだよ!美女×奇抜衣装とヘアメイク&高画質大スクリーン。ああ、素晴らしいことだわ。


 私が見に行った回は結構人入っててびっくりしたんだけどねー。皆なんでこんな映画見に来たんだろう…ひどく疑問。一緒に見に行った人は、終映後しばらく無言だったので、やっぱり石橋義正が好きでもなんでもない人は見に行ってもつまらないんだと思います。なのであんまり人におすすめはできないけど、私はここ数年間で見た映像作品の中で一番興奮しました。大好き。



映画『ミロクローゼ』 特報


映画『ミロクローゼ』予告編


バミリオンプレジャーナイトより、歌う六人の女「まな板」


バミリオンプレジャーナイトより、CATHY's HOUSE「Someday」


バミリオンプレジャーナイトより、クイックガール




 やはり片桐華子とアンミカは逸材すぎる。同窓会的な企画イベント、どっかでやってくれないかなー。