最近読んだ本

この一か月で読んだ本。例によって全て村上龍である。

読んだ順に。


★★★★☆

ストレンジ・デイズ (講談社文庫)

ストレンジ・デイズ (講談社文庫)


 龍の理屈っぽすぎる屁理屈が好きな人なら好き、それにイラつく人ならどう考えてもだめだろうという作品。屁理屈内容は言葉と関与、諦めについて。私は彼の屁理屈ものを読んだのが久々だったこともあって楽しめた。途中で、やっぱこの人は混沌へと至る過程の描写力が素晴らしいなあと感心。ここが大好き。ラストは可もなく不可もなく。


★★★☆☆

オーディション (幻冬舎文庫)

オーディション (幻冬舎文庫)


 龍の得意分野である、コンプレックスを持ってこじらせたまま20代になった女の恐ろしさ爆発小説だと思ってたら、途中で突然、彼のもう一つの得意分野であるグロありサバイバル小説になってびっくり。予想の斜め上行きすぎ、極端すぎで最早笑い話。まあ娯楽小説だわなー。本のレビューとか、帯とか、文庫版の裏表紙とか、前情報何もなしで読んだ方がいい。文庫版の解説はなかなかよかった(龍が敢えて書いてないことを懇切丁寧に書いてくれている)が、なぜか大事な部分(結果として主人公が何を失ったのか)が間違っている…!


★★★★☆

エクスタシー (集英社文庫)

エクスタシー (集英社文庫)


★★☆☆☆

メランコリア

メランコリア


★★★★☆

タナトス (集英社文庫)

タナトス (集英社文庫)


 上三作は、つながってて三部作。

「エクスタシー」は、前半ケイコの冗長な独白に飽きつつあったけど、レイコが出てきてから俄然面白くなって、そのままの勢いで読了。反復表現いいよね!ケイコに合ってるー。ラストもちゃんとオチてるし、最終段階における読点なしのひたすら続く長文も好みだし、内容も表現方法もとにかく村上龍らしい作品。

メランコリア」は、龍の小説にしては珍しく、読むのがなかなか苦痛だった。とはいえこれを読まないと次に行けないので、どうにか読み切ったけど。ヤザキの憂鬱と無力感の考察はいいのだが、ミチコの一人称が嫌いすぎる。龍が書く、頭よくてキャリアあってそれ故プライド高いけど、あくまで凡人なのでサバイバル力は低い、っていう女性、私嫌いなんだよなー。ていうか、この手のキャラの一人称文章には龍の悪意を感じる!久し振りにヒュウガ・ウイルス思い出したわ。

ラストの「タナトス」、これもよかった。まあ三作通して、結局のところは人間同士の関与とその限界について書いてるんだけど、SMモチーフなしで同じ内容を書き切った近年の「心はあなたのもとに」の方がすごいかなー。あっちの方がまとまってるしわかりやすいし。

しかしヤザキとケイコとレイコはいいキャラだよねー。続けて他作品にも出てくるのがわかる。ケイコとレイコがよすぎて、遂に天野小夜子と二階堂ミホが出ている龍の映像作品「トパーズ」に手を出してしまいそうになったが、やめた。


いつも本は適当に買ってくるんだけど、今回はどれも刊行年が近くて、龍が映像作品撮ってたあたりの作品であることもあって五作とも女優シリーズだった。

そして今は家の村上龍ストックが切れたこともあり、今更ながらサンデル教授の正義本を読んでます。面白さ、普通。