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最近読んだ本

この一か月で読んだ本3冊。全部ドラゴン。


  • 村上龍「櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。」

★☆☆☆☆

櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。

櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。


 「すべての男は消耗品である。」シリーズの最新刊。エッセイだからいつものように内容ないんだろうな、と思いつつもサイン会のために買ってみたが、まじ駄作だった。

歳取って弱気になってるのは十分すぎるほどわかったが、それにしてもなんでこんなにも言い訳がましいのか。読者に対してそんなに言い訳ばっかしなくていいんだけど。誰に何言われようが、誰にどう誤解されようが、好きなこと書けばいいのに。言い訳がましい人嫌いなので、読んでてイライラしてくる。言いたいことを言え。

これといって新たな内容がないので、「ダメ元で、レバ刺し!」とか、そういうくだんない内容部分だけが面白かった。

この本は、たぶんもう読み返さない。けど、捨ても売りもしない。サインもらったので、記念に手元に置いとくはず。帯は龍の顔面アップ写真が怖いのでさっさと捨てた。


★★★★★

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)


 最っ高。今年読んだ本の中で一番よかった。

村上龍がデビュー以来、数年おきに書き続けている、危機感煽りサバイバル小説。いやー素晴らしいね。30年以上前の作品だけど、今と言ってることが全く変わってない。

いやー、こういうの読んじゃうと、はずれだった本を読むのに費やした自分の時間がもったいなく思えてくるよ。好きな本に出会うと、人生の短さを感じる。「人生で読める本の数は限られてるのに、あんな駄作読んでる場合じゃなかった!!」って思う。まあ村上龍のエッセイとか大崎善生とかですけど。

やっぱ彼のサバイバルもの好きだなー。村上龍は若くしてデビューしてるから著作が多すぎて、小説を全部家に揃えて読み終えるまで結構時間がかかりそうなんだけど、サバイバルものだけでも早いとこ全巻読破したい。

唯一、新装版の文庫で読んだので金原ひとみの解説がひどかった。文庫版で読むとこれがなあ。龍の文章読むために買ってるんだから、基本的に他人の解説いらないよ。


★★★☆☆

69 sixty nine (文春文庫)

69 sixty nine (文春文庫)


 馬鹿騒ぎ青春小説。

私こういうノリの本あんまり好きじゃないんだけど、村上龍の悪口三昧と、どこまでもくだらない内容、ゆるい文体が面白くてぱーっと読めた。まさに「性格が本質的に反抗的」。

本文ではないけど、1987年に龍が書いたあとがきと、2007年に再度龍が書いたあとがきの読み比べが面白い。有名な「楽しんで生きないのは、罪なことだ。」の一節について、20年後に自分で触れている。

単行本のあとがきには他に、「楽しんで生きないのは、罪なことだ」と書かれてあって、時代を感じる。1987年、日本はまさにバブルに向かってまっしぐらに突き進んでいて、社会全体に根拠のない自身が充ち、多くの国民は強い円と経済の拡大がもたらす高揚感に浮かれていた。そんな時代にわたしは「楽しんで生きないのは、罪なことだ」と書いたわけだが、浮かれている割りに大多数の人が心から楽しんでいないように見えたのだろう。
 90年代初頭バブルが崩壊し経済は縮小して、冷たい水を浴びせかけられたように人々はユーフォリア(多幸感)から醒め、現実と向かい合うことになる、そして今、若い人に向かって「楽しんで生きないのは、罪なことだ」とアドバイスする余裕は、わたしにも日本社会にももうない。現在必要なのは「どう楽しんで生きるか」ではなく、さらに基本的で切実な「どうやって生きるか」という問いだからだ。


(文庫版あとがきより)


 さて、この本を読む際には、ぜひこれもセットで読んで下さい。

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)


 私は「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」を先に読んでしまって、それから69を読んだんだけど、これは二冊合わせて読んでこそだなあと思ったわー。じゃないと、ともすればただの青春娯楽小説で終わってしまう。

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