村上龍の緊張感のある文章が好きだなあと漠然と思っていたんだけど、彼が書く、それまで保たれていた秩序が乱れていく過程や、そのきっかけとなるほんの些細な出来事の描写がすごく好きなんだと気がついた。

秩序が乱れた先にあるのは、混沌であったり暴力であったりする。何を見たり読んだりするとそれらをリアルに感じるのかは人それぞれだと思うんだけど、私にとってはそれが村上龍の文章なんだ。

でもって、そんな混沌や暴力を、緊張感を保ちつつも清潔感のある一歩引いた文体で綴っている彼の文章を読むと、私にとってフィクションではなく紛れもないリアルであるそれらを、あくまで娯楽として、被害を被らない第三者として消費することができる。だから、表面をなぞると凄惨でしかないような暴力描写であっても、私は読んだ後に癒しや安らぎを感じるんだろう。


ということに、「コインロッカー・ベイビーズ」を読んでいて気づいた。今まで村上龍の著作は二十冊近く読んだ気がするのに、今更…。

ちなみに「69 sixty nine」は文庫で買ったらところどころ無駄にフォントが大きくて(しかも強調フォントはアイタタ単語ばかり)電車内で読んでると勝手に気恥ずかしくなるので、読み途中で通勤中の読書対象から外した。土日にでもゆっくり読む。