最近読んだ本

最近、でもないけど、この数か月間で読んだもののうち
ここにメモってなかった分を、思い出せるだけ。



横道世之介

横道世之介

いつの間に、私が一番好きな作家になっていた吉田修一
その最新刊を同居人が仕入れてきたので早速読んだ。
これも、吉田修一お得意の、「これといって特に何も起こらない」系なので
好き嫌い分かれると思いますが、私は好きだったー。
吉田修一は文体が好き。
文章上手いし表記ブレも少ないから、読んでていらつかない。


そして懐かしい描写が多いので、それ追ってるだけでテンション上がる!
今作もまたもや法政大生が主人公なので(母校好きだなあ…)
外堀通りの桜並木とか、飯田橋ロッテリアとか、赤プリとか、
個人的に「ぎゃぁあああ懐かしいーーー!」な事態が頻発。
ちょうど20年前、自身がB1の頃の時代設定のようです。
そんな昔からあのロッテリアあったのね…って今まだあるか知らんけど
法政大生でない私でもこれだけテンション上げられるんだから
法政出身の人は是非読んで頂きたい。まあ繰り返すと、何も起こらんけどね!


この作品は、新聞上での連載だということを上手く使った作品だと思いました
単行本で書き下ろしだと、まあ読者は最初から最後まで頭から全部順に読むわけで
読み落としてなければ、伏線を全部把握できるんだけど
新聞連載だと、途中でなんか重大な描写があったとしても、
もしもその一日分の新聞を読み逃したら、
その内容を把握しないまま、最後まで話を読み進めることになるわけで。
それを上手く生かしてるなあと。逆に言うと、本で読むとちょっと勿体ない。



パレード

パレード

これも吉田修一
最後にどんでん返しが!みたいな触れ込みで読み始めましたが
これまでに何冊か吉田修一の作品を読んでて、傾向もわかってたし、
この人律儀すぎて、一度張った伏線は確実に回収していく方だってことも
知ってたので、オチは読めてしまいました。
ていうかオチのもっと先まで予測してたけど、先読みしすぎた。
これもまあ、特に何も起こらない系なので非常に読みやすいです
そしてこれの映画化は、見てないけど明らかに駄作な予感がします…
これ映画化してどーするよ。文章だからいいんだよこれは。



殉死

殉死

同僚に借りた本。
これはちょう面白い!おすすめです!
吉田修一とかを読み慣れてるんで、司馬遼太郎の文章は読みにくく、
薄い本なのになかなか進まなかったけど、しかしすんごい面白い。
とにかく、乃木希典カリスマすぎ。
これは絶対バンギャにモテるキャラ!
友人として近くにいたらいらっとするけど、ステージ上にいたら人気になるタイプ。
現代のヴィジュアル界にいたら絶対大量の蜜と繋がりを得られたであろう。
断言する。メンヘラ男はモテます。
「この人、私が支えないとだめになっちゃうんじゃ…」という母性本能と
壊れやすく儚いものに惹かれてしまう人間心理ゆえなんでしょう。
いやー、一読の価値ありであります。
日本史全くわかんない私が読んでもすごく楽しめたので、
司馬遼太郎の作品としてはハードル低めなはず。



ハゲタカ(上) (講談社文庫)

ハゲタカ(上) (講談社文庫)

  • 作者:真山 仁
  • 発売日: 2006/03/15
  • メディア: 文庫
これも同僚(本の趣味が合う)にすすめられ、
読んでみたいなーと思ったら隣の部屋にあったので読んでみた。
これも面白かった!テレビ版とはかなり違うのねー。
後半最後、ベタな人間ドラマになっちゃって少し残念でしたが
全般的には面白いです。まったりだけどね。あと語彙がかなり少ないけど。


これ読んで、外資投資銀行で働いてる友達が言ってた話の意味が
やっとちょっとわかった。なんかすごい仕事だわね…
ハイリスクハイリターンの仕事をやってる人達は尊敬しております
そうやってリスク取って高給稼いで沢山税金払ってくれてるんだからさー。
しかしまあ、これが面白いと感じるのは、私が金融の知識が乏しいからなんだろう
本業の人が読んだら、色々と物語用に脚色されすぎてて冷めると思う。
私が一つ、絶対に主張したいのは、
鷲津(主人公)は大森南朋なんかじゃなく水谷豊がふさわしいと思う!
ということです。私の脳内ではずっと水谷豊でした。



人間失格 (新潮文庫)

人間失格 (新潮文庫)

突然、昔懐かしな太宰を読んでみたけど
今となっては既視感ありまくりで、あんま面白くなかった。
虐待、レイプ、心中、自殺、アルコール依存、薬、強すぎる自意識…
うーん今やよくあるモチーフすぎて、特に新鮮味はない。
ていうか、むしろケータイ小説っぽいなーという印象。
ここでもメンヘラはモテるの法則は健在。



モテキ (1) (イブニングKC)

モテキ (1) (イブニングKC)

ラスト。
私漫画読み慣れてなさすぎて、四巻読むのにすさまじく時間かかった…
主人公、黒髪黒縁メガネで野方に住んでるとか
私のB2、3時の彼氏そのまんますぎて若干引きました。こわーい
主人公は他人に勝手に色んな期待をかけて、それ故勝手に激しくヘコんだり
ヘコみついでに他人に迷惑かけたりかけまくったりするんですが
私はこれ読んで、やっぱ他人に期待するの無駄だなぁって思っちゃった。
まあ本来なら、
「以前よりも自分に少し自信を持って、他人に正常な度合いの期待をかけ
 そして他人からの期待にも応えようとすることができるようになりました
 はいハッピーエンド、ちゃんちゃん」
なんだろうけど、
このまんまじゃ、(最終巻後に)また同じ過ち繰り返すよ主人公!ってかんじだもん…
まあ、こうやって客観視できるのはよいことですな。
エロ漫画なんだかなんだか知らんけど、まあ普通に面白かった。
でも一度読んだらもういいレベル。