globe・「FACES PLACES」

思いがけず二人暮らしになって一か月、よかったことの一つに
「自分一人じゃ広げなかった世界に触れられる」
というのがあって、これが意外に結構大きい。
家にある活字が二人分、音楽が二人分、情報も二人分、
習慣も、嗜好も思考も二人分、なので
新しいものに触れる機会が自然と増えるんだよね。これが面白い。


最近リビングに、Tが実家から送ってもらったラジカセ
(MDプレーヤー以前の、CDとカセットしか聴けないやつ)が入ったので
互いの持ってるCDを勝手にかけたりして結構楽しんでいて、
まぁ私はCD音源なんてディルとBUGYくらいがほとんどであんまり持ってないし
Tもエーックスばっかなんですけど、それでも互いに色々聴いていて。
その中で、Tが持ってたglobeのアルバムの破壊力がすごすぎてびびっている。
特に90年代のものがいい!

FACES PLACES

FACES PLACES

このへん、すんごくいい。私がまだ小学生だったときのアルバムだー。
アルバムの全曲に漂いまくる、独特の悲壮感と閉塞感。
10代後半から20代前半の女の子の、孤独とか不安とか背伸びする気持ちとか
その反動で遊びまくる、若さゆえの刹那主義、快楽主義なかんじなんかが
全編に渡って、異常な高音で切々と歌われる。恐ろしいアルバムである。

  • 「Because I LOVE the NIGHT」

20th Century あとちょっとで
日が暮れる 100年間の 長かった
そのちょっとだけ 最後の 4年で


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裏側にまわって 悲劇を追ったら
語りきれない so long tales
だからといって 今私たち
どうやって生きればいいの?


惚れあって 苦しんで
夜が明けて 落ち着いて
またちょっと 嬉しくて
ほんとにごめんね
服だって 恋だって
何とかなってる
でもこうやって生きてて
みんな許してくれるの?
歌詞全文

「みんな許してくれるの?」って!
この、無茶やってるけど、薄目で現実見てます感、怖すぎ!


次。
90年代後半の象徴であるプリクラも、
小室哲哉の手にかかるとこのように一刀両断されます

  • 「a picture on my mind」

夜を彷徨って 街を切り取って
道をかぎつけて 鎖を解きたくって
止まった絵の中 自分の平和装って


小さなBOX 2人 4人
時には5人くらいで
その夜の記念の 平和を写して持ち帰ってる


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写真の中には未来はないから 今夜も
歌詞全文

いやー、うまい。
まぁ内容はよく新聞などの論評で言われてたことなんだけど、
それをKEIKOに歌わせて、10代20代の女性にCD売っちゃうところがすごい


極めつけはこれ。
小学生の頃にすんごい売れてて、しょっちゅうテレビで歌われてた「FACE」は
当時の日本の時代背景を知ってる今になって改めて聴くと、地味に怖い!

  • 「FACE」

反省は毎日で
悔やまれることが多すぎて
青春が消えていく
でも情熱はいつまでつづくの


少しくらいは きっと役にはたってる
でもときどき 自分の生きがいが消えてく
泣いてたり 吠えてたり かみついたりして
そんなんばかりが 女じゃない


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バス停で おしゃべりしている学生
明日の事は考えて もちろんいるけど
切実さは 比べようもない程明るい
あの人の胸には すぐ飛び込めない


鏡に映った あなたと2人
情けないよで たくましくもある
顔と顔寄せ合い なぐさめあったらそれぞれ
玄関のドアを 1人で開けよう
歌詞全文

これ、ほんとの作詞背景は知らないけど、
社会人と、学生を対比させちゃうあたりが意図的な気がする。
ただの不倫話としても読めるんだけど、
この曲、恋愛のことだけ言ってるわけじゃ絶対ないでしょー
「鏡に映った あなたと2人」って、彼氏(不倫相手)と自分でもまぁ2人だけど
鏡の前の自分自身と、鏡に映った自分でも2人ですよね。
ていうか、歌詞全体の流れからすると、真に言いたいのはおそらく後者の方だよね。
女性が社会で働くのが、今よりは厳しかった時代、
自分のせいでもなく、たまたま当たった就職氷河期の中でどうにか就職はできたけど
やっぱり不況で女よりも男を、より優遇する社会の仕組みなんかにも苦しまされて、
それでもどうにかこうにか必死で働いて恋愛して生活してる若い女性が感じている
90年代後半の日本社会の閉塞感を歌ってるのが、この曲だと思う。
「青春が消えていく」って!
TK、歌詞の構成が巧みすぎて、怖いよー。



いやー、鬱屈してるなー
これ、確実に当時の世相を反映してるよね。
長引く不況真っ只中で、日本中から閉塞感が抜けないかんじや、
20世紀がもうすぐ終わるという終末観みたいなのが、
globeの曲には濃厚に詰まってる気がする。
ヴィジュ系のPierrotあたりが歌う世界とは、また違う終末観を感じます。
リアル感があるというか。なんか、都会の街中感がある。渋谷あたりの。
当時の小室哲哉の歌詞には、(携帯)電話やポケベルがほんっとに頻出するのね
それがまぁ当時の若者の象徴なんだろうなぁ。


閉塞した社会の現状と、その中で生きる女性の孤独ばっかり歌ってるglobeや
これまた演歌バリの孤独ばっかり歌ってる浜崎あゆみが、チャート一位で、
その一方でヴィジュ系も売れて歌番組に出まくってた90年代後半って
やっぱり今考えると恐ろしいよ…すごい時代。
今のヒットチャートの方がまだ平和な感じがするんだけど、
そう感じるのは、私が歳をとったせいなのか。



というわけで今globeの暗さにはまってるので
これから好きな曲の動画貼っていこうと思います。何日もつか知らん。

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