Versailles 「PRINCE & PRINCESS」

数日かけて、やっと書き終わった。

Versaillesの初シングルが先週発売になり、
火曜日にはBUGYに浮かれていた私も、木曜日に買いに行きましたよ、と。
特典がいいので自主盤で買いました。
あのへん、何年経ってもやっぱり迷いそうになる。
全員の集合写真がジャケットの通常盤一枚と、
限定盤はJasmineバージョンと悩んだ挙句、結局KAMIJOバージョンのを買った。
で、店舗特典としてKAMIJOソロと全員集合のアー写の生写真2枚と
KAMIJOのサイン入りポスターをもらってきましたよ。
ちなみに中に封入されているトレカは、一枚がJasmineさんのアー写
もう一枚は全員集合アー写のもの(裏が全メンバーのトレカ一覧になってる)でした。
これは当たり!KAMIJOの写真は限定盤の中身で散々見られるからねー
Jasmineさん好きなんです。
ブログは色んな意味でバンドマンっぽくてアレだけど、
ステージ上ではすごく素敵。常に空気を読んで演じてる、プロだと思う。


そんなこんなで、ビジュアル的には非常に満足だった今回のシングルですが
中身が。中身が。
なんというか、Versaillesにおいて私が恐れていたことが、一斉に起こっている…!
以下、超細かくて超長い個人的な感想と意見。

PRINCE&PRINCESS

PRINCE&PRINCESS

  • アーティスト:Versailles
  • 発売日: 2008/12/10
  • メディア: CD



<PRINCE>
これはまぁ九月に無料配信されてたので、もう聴いていたもの。
はっきり言ってあんまり好きじゃないです。
理由として、私は懐かしのヴィジュヴィジュしいかんじを求めているからっていう他に、
KAMIJOの書く恋愛歌詞が肌に合わないから、ってのがある。


SFORZANDOとか、Versaillesにおけるヴィジュヴィジュしくない恋愛歌詞は
基本的に
「強がっているけど実は弱い彼女を、守ってあげたい俺」
の構図である。
今回はPRINCEもそうだけどPRINCESSもそう。
たぶんこれはKAMIJOというより上城の恋愛観なので、変えようがないと思う。
が、私こういう構図だめー!なんも感情移入できないー!
そもそも、守る守られるって構図が嫌だ。
でもってさらに、「〜してあげる」って言われるのが、ほんとに嫌い!
なのにPRINCEの歌詞ときたら
「連れ去ってあげる」「守ってあげたい」ですよ。あぁもう無理。
「連れ去りたい」を「連れ去ってあげる」に変換してはいけんよ!自己中だよ!
と異常に拒否反応を示してしまう。
しかしそういう歌詞の方が、バンギャウケはいいのか?


Aristocrat'sで、
「さぁ綺麗な血で染/めてあげる」「今全てを薔薇の世界へ染め上げてあげる」
って言ってるのは別に気にならないんだけどね、ヴィジュヴィジュしいから。
ヴィジュヴィジュしくない普通の恋愛歌詞でそれ言われると
リアリティがあってどうも苦手だ。嫌いだ。
ちなみにどっかの人達の大ヒット曲のサビの
「君を守るため そのために生まれてきたんだ
 あきれるほどに そうさそばにいてあげる」
って歌詞は、「守る」と「〜してあげる」のコンボで、私は大っ嫌いです。
歌詞がそんなんで好きじゃないし、メロディーもあんまり好きじゃないので
やっぱりPRINCEは好きじゃない。



<PRINCESS>
しかしそれ以上に恐ろしい曲が現れた!
8:25もある大曲、PRINCESS。
この曲、CD買うまで試聴もせず、全く聴いたことがなかったんだけど
聴いて、あぁ、やってしまったか…!と思った。
この曲では、私が恐れていたことが一斉に起こっている。これは同時多発テロだ。

  • 曲構成が複雑すぎてわけがわからない

HIZAKI自身が
「複雑過ぎて意味わからない人も多いかもしれないです(笑)」
と言ってるけど、私まさにそれです。
現時点で、iTunesさんによると70回再生したけど、未だにわからない。
構成はよくわからないけどサビが印象的、とかならいいけど
サビがどれだかわかんないしぼんやりしてるから、覚えるのに数十回かかった。
そしてそのサビも、後半はAristocrat'sのBメロ後半と同じかんじだし。
うーむ。
HIZAKIが作るこういう複雑曲が、このバンドの売りなこともわかるが
とはいえ、The Love from a Dead Orchestra、History of the Other Side、
そしてPRINCESSと、どんどん泥沼にはまっていっている気がするんですが…
Dead Orchestraは複雑だけど、綺麗に流れてるしサビも印象的なので好き。
Other Sideは既に無理があるように思うけど、そこまで嫌いではない。
でもって今回のPRINCESSは完全に無理があると、私は思う…
流れてないしちぐはぐな印象。
別に、無理に凝って、複雑にしなくていいのに…

  • KAMIJOの歌詞が陳腐すぎる

いやね、KAMIJOの歌詞は元来いつでもどこでも陳腐なんですよ。知ってますよ。
でも超歌謡曲調だったり、ヴィジュヴィジュしい音に乗せるから
その陳腐な歌詞が逆に面白かったんですよ。私はね。
しかしこういう、普通のストレートな恋愛歌をやると陳腐さが際立って仕方ない。
しかもまたもや「守ってあげたい」連呼ですよ。
さらに、ただ陳腐なだけならいいけど、この曲、メロディと歌詞が全然合ってない。
歌詞がリズムと音程に乗ってないの。
だから、Aristocrat'sのBメロに、素人が即興で歌詞を乗せて
ニコ動で「歌ってみた」みたいな、謎の仕上がりになっている。

巡り会う孤独や哀しみをあなたは全て受け止めて
雨の日の花のように強く咲いているつもりでも
本当はまだ蕾で誰かに頼りたいんだよね?
分かってる... だから今は心を涙で潤して

特にこのへんやばい。
陳腐さもすごいが、歌詞の乗ってなさがすごい。
サビなのに!サビなのに!
Aristocrat'sの「白い扉を開いて」部分のメロディに
「心を涙で潤して」がほぼそのまま挿入されるし、
その前なんて
「たよりたい(ん)、、、、、、だーよねぇ」
!!!
なんというリズムはずれ!私はびっくりした。聞き取れなかった。
ていうかPRINCEが男目線でPRINCESSは女目線の曲だとてっきり思ってたのに
どっちも男目線ってどーゆーことですか。

  • HIZAKIが前に出すぎ

History of the Other Sideでもそうだったけど、HIZAKI前に出すぎ。
彼の速弾きなどのギター技術がすごいらしいことは十分わかっているが、
それがバンドの音楽ぶっ壊してるんじゃ仕方がないと思う。
この人にはVersaillesの他にHIZAKI grace projectの活動が必須です。
ギターソロ全開・複雑展開全開の曲は、
ヒザプロの方で思う存分やって、HIZAKIさんには満足して頂いて
Versaillesの方ではあくまでバンドとしてのベストな曲をやって欲しいです。
Versaillesにはアクの強い歌詞を抱えたボーカルがいるんだから、
そこ考慮して欲しい。バランス考えて欲しい。


あぁ、NOBLEまではHIZAKIとKAMIJOのバランスが取れててよかったのになぁ…
PRINCESSでは完全に空中分解してるように私には感じられる。
この二人がうまくバランス取ってタッグ組めば最強なのに(Lyrical Sympathy)。
この曲、イントロの、HIZAKIお決まりヘドバンフラグだけが唯一好きなので
ライヴでもそこだけは楽しもうと思います…
しかしこの曲サビがやけに開けてるから、アンコールで銀テープ曲になりそうで心配ー
同じHIZAKI作曲の明るいサビでも、私は断然After Cloudia派だわ。



<SILENT KNIGHT(INSTRUMENTAL)>
通常盤には入ってて、限定盤には入ってないという、
「逆じゃないの?」な謎曲がこれ。インスト。
この時期だからクリスマスの「silent night」とかけてるのかと思ったけど
あんまり関係なさそうだ。
はっきり言って期待してなくて、オマケ程度だと思ってたんだけど
実は6:01もあってしっかりした内容だった。
そして前二曲が好きじゃなかっただけに、これが一番気に入るという皮肉な結果に。


まぁね、インストですからね、Versailles−KAMIJOなわけですよ。
しかしながら
Versailles−KAMIJO)=(HIZAKI、TERU、Jasmine、YUKI
  =(Juka、HIZAKI、TERU、Jasmine、美景)−(Juka+美景)+YUKI
  ≒HIZAKI grace project
なのですよ。これ、ヒザプロなんです。
なんてったって、しょっぱなからHIZAKIソロ!
その後も、TERUを従えひたすらにHIZAKI、HIZAKI、HIZAKIのターン!
いいよいいよ、構成もメロディもPRINCESSより好きだよ、
でもこれはヒザプロでやって欲しい!
だってこれでは、HIZAKIのギター発表会である。
VersaillesではやっぱりKAMIJOの歌詞とHIZAKIの曲、他3人の音が織り成す
奇跡のシンフォニー(笑)を聴かせて欲しいのです。
だって新バンド名、Versailles -Philharmonic Quintet-なんでしょ?
五重奏かつ交響楽団なんでしょ?(あぁ、矛盾が…)
HIZAKIソロプロジェクトじゃないんだよー。


こういう曲入れるならおてるの曲でも入れて欲しい。
The Red Carpet DayといいSecond Fearといい、
私はTERUの作曲曲が好きなんだけど
シングルで3曲も入っているのに、1曲も採用されていないのは残念ですな。
まぁどうしたって力関係があるんだろうから仕方ないけどね。
私はギターと作曲曲の好みではTERU派なので、
SILENT KNIGHTはライヴでは3:50〜のおてるソロを楽しみにしてます。



結局、私はヴィジュヴィジュしい世界観を歌うVersaillesが好きだ

私はその血を引く者 涙など流さない
燃え上がる城を残して
漆黒の馬車が陽炎に融けて消えてく
(SUZERAIN)

こういうベタなヴィジュ系曲が好き。ベッタベタの、西洋かぶれのフランス革命曲。
姫は気高いままでいてくれた方がいいです。
「こう見えてもやっぱり弱いんですー」とか言い出さなくていいです。